指数のお話

オルカンが連動を目指す『MSCI ACWI指数』が構成銘柄を入れ替え

2025年2月15日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

一見、『オルカン』という商品は面白くありません。

それはなぜなのか・・?

 

『オルカン』の運用会社の運用チーム、

またはファンドマネージャーが
その芸術的感性をもって、

 

「明日はC株を半分売って、明後日A株を買い付けよう。」とか、華麗な運用を行うことは一切ないためです。

 

 

ファンドマネージャーの目利き力によって、銘柄を華麗に取捨選択していくのは『アクティブファンド』のほうです。

 

『オルカン』はイデックスファンドであり、
具体的にはMSCI全世界株式指数という『設計図』通りに、粛々と運用を行います。

 

なので、少し工学的な香りがします。

 

 

 

 

 

インデックスファンドとは?

 

「特定の指数」や
「特定の資産価格」と同じ値動きになるよう運用される投資信託。

 

 

オルカンが連動を目指す
MSCI全世界株式指数(MSCI ACWI指数)が、
世界ベースで銘柄の入れ替えを行うと発表しています。

 

上記は年に数回行われるのですが、

 

『MSCI全世界株式指数』自体が
日本を含む世界47ヵ国の、
2600社以上の株式を保有するため、

入れ替え規模はごく一部に過ぎません。

 

それでも『オルカン』の設計図内部の変更が行われるわけです。

 

 

ブルームバーグ
MSCI、ACWI指数に東京メトロなど23銘柄追加-107銘柄除外

 

MSCI世界指数に追加される時価総額上位3銘柄は
ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスとレディット、ナテラとなる。

 

レディットとは、
米国の掲示板型ソーシャルニュースサイトで、SNSのプラットフォーム会社とも云えます。

コロナ禍において、
「ミーム株」人気に火が付いた舞台として一躍有名になりました。

 

 

 

 

 

ところで『オルカン』が連動を目指す
「MSCI全世界株式指数」(MSCI ACWI指数)は、

 

「MSCI 先進国株式指数」(MSCI WORLD)と「MSCI 新興国株式指数」(MSCI EMERGING MARKETS)を足し合わせたものです。

 

※ちなみにMSCI世界指数とは、
「MSCI 先進国株式指数」(MSCI WORLD)のこと。←日本株を含みます。

 

今回、『MSCI先進国株式指数』(MSCI WORLD)内の日本株式に限っていえば、

 

・東京メトロが追加

・ブラザー工業、日立建機、ジャパンリアルエステイト投資法人、KOKUSAI ELECTRIC(コクサイE)、日本マクドナルドホールディングス、三井化学、しずおかフィナンシャルグループ、東京電力ホールディングス、TOTOの9銘柄が除外

 

となっています。

 

※もう10年以上、
『MSCI先進国株式指数』(MSCI WORLD)においては、日本株式の銘柄「追加」よりも、銘柄「除外」の数が基本上回っており、『MSCI先進国株式指数』における日本株式の比率低下につながっています。

 

 

 

 

 

社会や経済の『変化』に伴って、
その中身(国・銘柄)を定期的に入れ替えていく。

それが「株価指数」という物差しに求められる役割なのでしょう。

まこと指数は生き物なのです。

そして『オルカン』も生き物です。

 

今回の「MSCI全世界株式指数」の銘柄入れ替えは2月28日に実施されます。

ブルームバーグ
MSCI、ACWI指数に東京メトロなど23銘柄追加-107銘柄除外

 

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