キャリアの隠し味は「寄り道」にあり?
2025年2月12日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は投資とは関係のないお話です。
昔、別府の温泉旅館に泊まったことがあります。
別府駅から鉄道で小倉駅まで出て
(新幹線で・・)という帰りの予定だったのですが、
時計を見るとまだ午前11時過ぎで、
小倉駅でふと
「ちょっと寄り道したくない?」と妻に声をかけてみました。
『門司』ということばがふと浮かんで
そのまま門司港駅まで行き、
ミニ観光をして家路につきました。
(門司港駅とその周辺は旅情をかき立てる素敵な空間でした。)
ときどき、
『寄り道』にこそ、
人生の隠し味が用意されていると感じます。
突発的に起こったことや、
(自分の意図に反して)思いがけず出会ってしまったことは、経験として忘れがたく、またときに、それが人生の『本筋』になってしまうことさえあります。
若い頃わたしは放浪をしていて、
社会人になるレールから完全に外れてしまい、
やることがなくなって帰国したのが25のときで、小学校からの友人が不動産業を営んでいるのを知って、無理やり頼み込んで働かせてもらいました。
元来頭でっかちで、
ヘンに理想主義のようなところがあり、
自ら仕事を選ぶなら
「不動産とか金融はぜったいに嫌だ!」と思い込んでいたような人間が、不動産会社で働くことになったのです(笑)
今の職場、今のお仕事って
元々あなたが望んでいたものですか。
おそらく、
「はい」という人より
「いいえ」という人のほうが多いのでは?
自分の希望が叶う。
ワタシの夢がかなう。
こう書くと、
なんだかキラキラ感が漂いますが、
ほんとうに
自分の長所や己の嗜好を把握している人ってどれ位いるのでしょうか。
「好き」というのは大事なことですが、
「それ」を「好き」であるがゆえに、
あなたと「それ」の相性が
客観視できていない可能性があります。
あなたを「評価」するのは 他者 です。
自分が B という分野が好きで、いろいろやる気なのに、他者からは C という方面で評価される。
あなたにとっては「寄り道」と思っていたことが、世間からはいつの間にか『本筋』として見なされる・・、
これってキャリアあるある、かもしれません。
お仕事の選択において
もっとも難しいのは、
自分の好き(得意)と、
世間からの評価(高評価)が、必ずしも一致しない。という現実なのです。
わたしは冒頭、「不動産・金融なんて嫌いだった」と述べました。
その意味合いで云えば、
不動産会社の社長(兼幼なじみ)には、今でも感謝しています。
なぜなら彼が、
自分では絶対に辿り着けない(人生の)異なった選択肢を示してくれたからです。
時々思うのですが、
自分がまったく思いもつかない「考え」や「価値観」を与えてくれるところにあるのでは・・・。
今は便利な時代ですから、
独りでいてもなんら不自由はありません。
仕事ですら aloneで完結することも可能です。
しかし
ずっと独りの世界にいると、
ふと、
物事の見方が拡張するかもしれないという瞬間に、自分という梃(てこ)しか使えないため、
発想の拡がり方、生き様の跳ね方が、想定外にはなりにくいわけです。
知らない場所、
知らない人、
未経験の分野は、
自分が考えもしなかった「選択肢」と出会えるかもしれない 大いなる寄り道 になるかもしれないわけで・・。
さて、もうすぐ年度が変わります。
あなたにも4月から会社の中で異動があるかもしれません。
まったく想定外の部署に行くことになっても、あなたの好み(嗜好)で「そこ」を軽々しく評価してしまわないようにしましょう。
あなたと「そこ」の化学反応が向こう2年位で起こって、あなた自身が想像も出来なかった、あなたの意外な部位が立ち上がってくるかもしれません。
(自分の意図に反して)思いがけず出会ってしまったことが、人生の『本筋』になってしまうことがあるのです。
カテゴリ:100年ライフプラン