インデックス投資全般

ETFはグローバル型商品、インデックスファンドはローカル型商品です

2025年2月7日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

よく言われることですが、S&P500のインデックスファンドも、S&P500のETFも、ファンドとしてその中身は『同じ』です。

 

ゆえに
(継続コストの僅かな違い、分配金の有無の違いはあれど、)期待リターンもほとんど『同じ』です。

 

ただしETFとインデックスファンドでは
『視認性』という意味合いで大きな違いがあります。

 

ズバリ、
ETFは『グローバル型の商品』、インデックスファンドは『ローカル型の商品』なのです。

 

 

 

 

 

こんな想像をしてみて欲しいのです。

 

 

2025年2月現在、・・いったい何人の『ユーチューバー』が、世界中で、
バンガードのVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)の解説をしているのでしょうか?

 

もう、たくさん(たくさん)です。

 

「それはみんなアメリカ人?」

いえいえ、もっとグローバルなのです。

 

〇スペイン語

 

 

〇ドイツ語

こちらではVanguard FTSEのETFを紹介。

 

 

 

 

〇ヒンディー語?(インド)

 

 

インドは海外への投資に制約があるためでしょうか、VTIを内包した『ファンド・オブ・ファンズ形式』のインデックスファンドについて解説。

 

 

〇韓国語

 

 

 

〇中国語

 

 

上記、オーストラリア在住の中国系の人をターゲットにしている模様。
こちらではIVV(i シェアーズ・コアS&P500ETF)について解説しています。

 

 

〇台湾華語?

 

 

こちらではVTI (先鋒總股票市場ETF)のみならず、

VXUS (先鋒國際總股票ETF)や
VT (先鋒全球總股票ETF)についても解説しています。

 

 

いかがですか?

 

 

各言語の意味は分からなくても、
動画の中の「ETF」の発音はクリアに耳に入ってきますね。

 

 

米国株式市場にアクセスできる人なら、
世界のどこに住んでいようと、国籍がどこの人であろうと、VTIQQQIVVという言葉(ティッカー)が『共通言語』になっているのです。

 

 

 

 

 

これはちょうど、

貴方が世界のどこに住んでいても、

アップルのiPhoneや
グーグルMapのユーザーとして(他のユーザーと)『共通の認識』を持てることと似ています。

 

 

つまり「グローバル型の商品」を利用しているよ、という感覚です。

 

 

翻って「インデックスファンド」は基本『ローカル型の商品』です。

 

 

 

 

 

イギリス人の『ユーチューバー』が英語で、
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の解説をしたりはしません。

 

なぜなら、
『オルカン』という金融商品は(広く言うと、日本で設定された投資信託全ては)

海外に輸出しない限り、
海外の人たちは買えないためです。

 

 

逆の立場から言えば、


日本人が購入できる、海外で設定された投資信託とは、日本に輸入されているモノに限られます。

これは『外国籍投資信託』と形容されます。

 

バンガード社の例で云えば、

 

『バンガード・トータル・ストック・マーケットETF』(VTI)は米国株式市場にアクセス出来れば、世界のどこに居ても買えるのに、

『バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンド』は、基本米国の居住者でないと買えない。という違いとなって表れます。

 

 

 

 

 

ETFは「グローバル型」商品、インデックスファンドは「ローカル型」商品です。

 


次にETF、インデックスファンドの『収益的見地』を見ておきましょう。

 

『バンガード・トータル・ストック・マーケットETF』(VTI)を購入する日本人投資家が増加の一途をたどっても、日本の金融機関が潤うわけではありません。

 

ETFの信託報酬は『受託会社』と『運用会社』が分け合うのみで、販売会社は存在しません(あなたは信託報酬の大部分を「バンガード社」に支払うことになります)

 

いっぽう、日本で設定される「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を購入すれば、

あなたは信託報酬の一定割合を日本の運用会社である「三菱UFJアセットマネジメント」に支払うことになります。販社も受託会社もふつう国内の会社になります。

 

 

 

 

最後に、公募の投資信託の課題は、
販路の『ローカル性』をいかに克服できるかにあります。

 

例えば「オルカン」や「コモンズ30ファンド」や「セゾン・グローバルバランスファンド」などの日本の公募ファンドが、マーケットを『世界』に広げることが出来れば、見える景色はまったく違ってくるでしょう。

 

ほんらい投資信託は、国境を軽々越えられるはずなのです。

 

カテゴリ:インデックス投資全般

おすすめの記事