NISAを早く埋めないと!ではなく、特定口座の資産を乗り換えないと!かもしれません
2025年1月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は少し運用相談チックな話になります。
NISA口座のメリットを実感すればするほど、
手元の預貯金を眺めながら、
「早くNISAを埋めないと・・」と焦ってしまう人、いませんか?
「資産全体」を俯瞰する度量が求められます。
仮にあなたの投資歴が6年、7年以上あって、
『特定口座』に
個別株や投資信託やETFなどをお持ちなら、
NISAを早く埋めないと!ではなく、
『特定口座の資産を乗り換えないと!』いう考え方が(もしかすると)「正解」かもしれません。
すなわち、
NISA口座に入金していく原資の一部は、
(すでに)特定口座内で「お持ち」であるという考え方です。
思い入れのある株もあるし。
これはこれで置いておいたほうがよくないですか?」
ご心情、お察しします。
すでにあなたが
60歳、61歳になっておられるなら、
(そして65歳が退職のご予定なら)
『特定口座内』の
個別株や投資信託やETFを取り崩す日もそう遠くはないので、そのままホールドでよいと思います。
が、もしもまだ40代、
あるいは50代前半なら、
まだまだ時間はあります。
『特定口座』から『NISA口座』へ乗り換える!
と俗にいいますが、
その行為の本質は?
「非課税の箱」への資産の移動、です。
仮に53歳のあなたが
「7年半」かかって
『特定口座』→『NISA口座』への乗り換えを行ったとしましょう。
53歳・・・・60.5歳・・・・65歳(退職)
なんだか(リタイア時まで)せわしないイメージかもしれませんが、実は退職される「65歳以降」も投資そのものは続きます。
より正確にいえば、
定期的な取り崩しをしながらの「投資」は、
53歳・・・・60.5歳・・・・65歳・・・75歳・・・80歳・・・85歳
と、
80代になってもずーっと続くわけです。
※もちろん、途上で安全:リスク資産の比率をより保守的に変えていく可能性はあります。
仮に「53歳のあなた」が、
38歳の年に投資を始めて、
すでに『15年選手』になっているとしましょう。
それでも、
実は、
これからの『投資時間』のほうがうんと長くなるわけです。
38歳・・(15年)・・53歳・・・・・(27年)・・・・80歳・・
ココ、伝わっていますか?
特定口座で
ファンドを持ち続けていても
(売却時には)どのみち『課税』されるわけですから、
(ちょっとヘンな日本語ですが、)
より資産が大きくなる前に
今よりも利益が膨らんでしまう前に、
思い切って「課税されない箱」に資産を移して、
手元の現預金と併せ、
NISA口座の枠(1800万円)を粛々と埋めていく・・
そして、
満額になった『NISA口座』で、
1年でも長く
お金を長期で増やしていくという『戦略』を取ることが理に適っているとわたしは考えます。
以下、あくまで一例ですが、
NISA口座への積立を『月20万円』と想定してみしょう。
「10万円/月」は純粋な積立です。
残りの「10万円/月」を
特定口座からの乗り換え積立とします。
上記のイメージでは
NISA口座の投資枠1800万円を
7年半(90ヵ月)をかけて埋めていくことになります。
10万円/月×90ヵ月 特定口座からの乗り換え積立
このようなざっくりした『工程表』を作ってしまうわけです。
上の場合は
『特定口座内』の
個別株や投資信託やETFなどを売却して、
税金控除後の「手取りの額」が900万円のイメージですね。
繰り返しですが、
これまでの投資時間よりも、
これからの投資時間のほうがより長くなるわけです。
そして実際、
特定口座内の投資信託を売る。
NISA口座内で投資信託を買う。
すなわち?
『投資信託・定期売却サービス』の利用。
機械的に(かつ)規則的に、
特定口座からNISA口座へ粛々と『乗り換え』がしやすくなります。
乗り換えって、要は「お引っ越し」なのです。
ちなみに、
SBI証券や楽天証券では、
同一口座内では、
同じファンドを「積立設定」かつ「定期売却設定」は出来ませんが、
特定口座で「Aファンド」を定期売却しながら、
NISA口座で「Aファンド」を積立設定することは可能です。
カテゴリ:NISA活用法