「さあ、次の投資信託を探そう!」と躍起になる必要はある?(インデックス投信戦略 VS. 高配当株ファンド戦略まとめ)
2025年1月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
お菓子が好きだからといって
毎日「ハッピーターン」ばかり食べるのも
ちょっと疲れます。
Bも、
あるいはCというお菓子も
たまには食べてみたいものです。
消費者心理からいうと、
定番の『○○インデックスファンド』だけをひたすら持っておく!というのは、なんとも「つまらない」ものでしょう。
「いろいろな投資信託」を買ってもらおうという、業界側のマーケティングからすると、
昨年9月に設定された
「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は、そのタイミングが抜群だったとわたしは思います。
新NISA口座における、
オルカン、スリムS&P500への異常な資金流入がひと段落して、
「さあ、次の投資信託を!」的な潜在ニーズに応えるために、「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」は設定されたわけです。
当該ファンドは実質、
シュワブ・米国配当株式ETF(SCHD)に投資を行うファンドです。
アメリカの高配当株指数
ダウ・ジョーンズ US ディビデンド(配当)100インデックス(米国高配当の100社)への連動をめざすETFです。
「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」―以下、楽天SCHDと云います― は、設定後わずか4ヵ月で純資産額1100億円を突破。
それに負けじと
「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」―以下、SBI SCHDと云います― が昨年末設定され、1ヵ月も経たないうちになんと900億円の純資産額となりました。
見事に、
「次の投資信託」を供給し、需要を創出し、人気化しているわけです。
これはわたしの推測ですが、
「SBI SCHD」を購入している人の多くは、
投資のやり方(スタイル)を整理しておきましょう。
楽天SCHD、SBI SCHD →『高配当株ファンド戦略』
ということは?
「無分配インデックス戦略」 VS.「高配当株ファンド戦略」という、お決まりの『どっちの道を選ぶ?』比較となるわけです。
オルカン、スリムS&P500にすでに投資済みの人は、こんな感情を抱いているかもしれません。
無分配のインデックスファンドは優れた投資対象かもしれない。
定期的に「配当」(分配金)をもらうという楽しみがあってもよいのでは?
たしかに・・。
毎日ハッピーターンだけ、というのはつまらないものです。
複数の投資のやり方が、
ひとりの『個人投資家』の中で内在するのはままあることです。
しかし、それは、
それぞれの投資のやり方の
『基本コンセプト』があなたの中で腹落ちし「それに賛同するよ!」という場合に限られます。
ズバリ申し上げますと・・・、
『資産』を増やしたい人が採用すべきでしょう。
『収入』を増やしたい人が採用すべきでしょう。
無分配インデックス戦略と、
高配当株ファンド戦略では
投資の捉え方(骨太のスタイル)が異なります。
来月65歳になり、
〇 定期収入を、なるだけ思考なしに、自動的にもらいたい。
〇 ファンドの中身は特に成長型(グロース)の株式とか要らない。
〇 かつ、投資の元本部分は
80歳になっても90歳になってもなるだけキープしておきたい。
そういう人は、
別に高配当株ファンド戦略のみでもよいかもしれません。
逆にまだ40歳で、
〇 今はなるだけファンド内で効率的に再投資をしてほしい(定期収入は要らない)
〇 ファンドの中身は成長型(グロース)も割安型(バリュー)もなるだけ広範な銘柄をカバーしたい
〇取り崩しを始めたら、元本プラス利益を規則的に解約し、死ぬときには資産が逓減していてもよい
というような人は、
無分配インデックス戦略でよいのではないでしょうか。
どっちが正しいのか?を探して、
YouTube動画を18本観ても疲れるだけです。
あなたは一体どちらのタイプなのか?を
内省しながら2時間くらい考えたほうが良いかもしれません。
無分配インデックス戦略なのか
高配当株ファンド戦略なのかの選択は、
あなたの『ライフスタイル自体』のチョイスでもあります。
あくまで私見ですが、
楽天SCHDも、SBI SCHDも、
「さあ、次の投資信託だ!」と熱狂するほどの投資商品ではないとわたしは思っています。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ