投資の発想法

YouTube動画の見過ぎに注意!

2025年1月3日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

自分もYouTubeライブをやっているので
こんなことを言うのもヘンなのですが、

YouTube動画の見過ぎには要注意!です。

 

 

 

 

 

投資関連の『情報入手先』としては、

いまや動画(YouTube)
テキスト情報に完全に取って代わった感があります。

 

動画は分かりやすく、
(かつ)直接的に情報が飛び込んでくるため、
感覚的にコンテンツ内容を捉えやすいです。

・テキスト情報、
・画像情報(主にインスタグラム?)
・動画情報と、

 

こと『投資』に関しては
今現在ほど、
多様な情報が充実している時代はないでしょう。

 

あなたが
良質なYouTube動画を10~20本観て、
(かつ)ある程度の情報処理能力があれば、

大きく『間違った方向』に行ってしまう可能性は相応に低いといえます。

 

 

 

たぶん・・・・・。

 

 

 

 

今「たぶん・・」と申し上げた理由は
YouTubeのアルゴリズムの粘着力強化を憂慮して、のことです。

 

 

 

 

 

あなたにも経験があると思います。

ひとつの動画(投資関連)を見ると、
レコメンド(推奨)の関連動画がずらーっと出てきますね。

 

 

この、
レコメンド(推奨)の動画の
今さっき観た動画との『関連度合い』が、
(以前よりも)ずっと高くなっていると感じます。

 

 

具体的に申し上げましょう。

 

高配当株のYouTube動画を観れば、

それに付随する
高配当株関連の動画が
次々とレコメンド(推奨)される・・。

 

今日のYouTubeでは、

 

「高配当株」の動画を観た人に、

 

ではですね、次に
成長株の投資スタイルはいかがですか?
(それから)インデックス運用という投資手法もありますよ。

 

的な、多様なレコメンド(推奨)を期待する余地は(もう)ほとんどありません。

 

 

 

 

 

YouTubeとしては、

―多少辛辣な言い方になってしまいますが、―

 

あなたに
さまざまな投資スタイルを
俯瞰的に学んでもらおうという意図は全くなく、

 

SNSのプラットフォームですので、
その崇高なる目的はただひとつ。

それは、

あなたに
『なるだけ長くそこに居てもらうこと』なのです。

 

この点は、
冷めた目で自覚しておいたほうが良さそうです。

 

 

言い方を換えると、

 

YouTubeにおいては、

自分で『検索することによって』

さまざまな投資スタイルを、
また、多様な発信元の、さまざまに異なった意見を、意図して自ら取り込んでいく「気力」を持たないと、

レコメンド(推奨)の海に溺れてしまう可能性が高いということです。

 

ココ、伝わっていますか?

 

 

事実、当クリニックの複数のお客様から、
以下のような言葉をしばしば伺います。

 

投資の情報を得たくて
けっこうYouTube観ましたが、
YouTubを観れば観るほど、分かんなくなっちゃって・・。

 

これこそが
YouTubeというプラットフォームの本質なのです。

 

 

 

 

 

ユーチューバー達は、
分かりやすく印象に残る動画を作ろうと切磋琢磨します。

そこでは、
起承転結的な
分かりやすい(かつ印象に残りやすい)

 

たとえば、

 

つまり・・・なのです!
○○は・・・で決まり! 的な


『結論』ありきのベクトルに向かう「強烈な動機付け」があります。

 

 

どちらかいうとエッジの効いた、
「我云うことが正しい!」的な
鮮烈な表現法になっている動画が多いと感じませんか?

 

(わたしも含めて)
ユーチューバーは基本、
『総再生回数』によって広告収入を得るビジネスモデルであるため、あなたに再生してもらって「なんぼ」の世界で生きているためです。

 

 

あなたに
再生してもらうためには、

 

目立つ、ちょっと扇情的なタイトルと動画内容になっていかざるを得ない・・。

 

 

 

みたいな。

 

画像元:鳥海翔の騙されない金融学
【投資家必見】大統領選挙の結果によって新NISAで投資している人は地獄が訪れる…?新NISAは今後どうなるのか教えます!

 

 

あなたに再生してもらうため、

目立つ、
ちょっと扇情的なタイトルと動画内容にもっていこうと、多くのユーチューバーたちが真面目に切磋琢磨すればするほど、

 

 

動画コンテンツ『総体』において、
どんどんどんどん、
鮮烈かつ
扇情的なコンテンツに、動画内容が寄っていきます。

 

この「寄っていく・・」という感覚、分かりますか?

 

 

 

 

 

なんだか、ちょっと怖いですね。

 

 

たとえば、
具体的なインデックスファンドについても、

〇S&P500指数との連動を目指す
インデックスファンドが新たに設定!

となれば、

 

これまでの
S&P500インデックスファンドと何ら変わりがなくても『紹介動画』が多数つくられたりします。

※総再生回数を稼いでいかないといけないので。

 

あるいは、
ほとんど違いがないインデックスファンド同士でも、ことさら「違い」を強調して動画が作成されたりします。

 

あるいは、

・「S&P500」と
・「全米株式」と
・「全世界株式(日本含む)」を並列して、

「さあ、どれがベストなのか?」という言説を、パッションを持って語り、(たとえば)S&P500こそが正解でしょう!と勧められたりすると、

 

視聴者も
「やっぱS&P500がいちばんいいのか・・」と妙に納得してしまったりします。

 

 

要は、多くのYouTube動画は、
あなたの気持ちをアゲることに注力しているのです。

 

 

ちょっと深呼吸しましょう。

 

 

 

 

 

わたしは別に
YouTubeコンテンツを批判したいわけではありません。

わたしもYouTubeライブをやっているひとりです(笑)

 

もっとも注意すべき点は、

 

投資という世界は、

発信者が強調する、

○○がベストです。
こうするべきです。
□□はダメです。

 

的な、

二者択一論的に、
カンタンに『正解』を見つけられるほど、単純な世界ではない。ということなのです。

 

 

投資の本質は、
未来の変化に対してお金を託すことであり、
その未来の空間は、
『不確定な事象のかたまり』です。

 

何がどう起こるかは全く定まっていないため、

2025年1月時点で、これは「正解だ」と思えるようなことでも、2年後には(それが)根底から変わってしまう可能性すらあります。

 

よく、

“過去の実績は未来の成績とは別物。”といいますね。

 

 

 

 

 

私たちはしばしば
『最良の選択』を目指してYouTube動画という「海」をさまよいます。

しかし、
未来の変化にお金を託すことが投資ですから、

そもそも現時点で
『最良の選択』など、できるものではありません。

 

もう一度深呼吸。

 

 

 

「ベストのものを探し切らないと・・」と焦るよりも、

ココを外してはダメだよね!という
投資の原則「長期」「分散」「低コスト」「つみたて」を遵守して、

 

なるだけ広範囲の分散を施す
全世界株式のインデックスファンドか、

(リスク量を下げたい人は)
全世界債券と全世界株式を組み合わせたバランスファンドを選んで、

 

「現時点で『そこそこベター』だからこれで良しとする。」という、割り切りこそが肝要だとわたしは思います。

 

 

 

 

1日に1時間、
へたすると2時間以上YouTubeを観てしまっているあなた。

私たちが持つ最大の資産は「時間」ですよ。

 

その時間を他の行為に充てたほうが
人生はよほど建設的になるとわたしは思います。

 

 

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