つみたて投資という習性のワナ
2024年12月23日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
運用相談では
以下のようなご質問をしばしば伺いします。
仮に100万円の貯金があるとして、
毎月5万円ずつインデックスファンドを購入すると、20か月後に積み立てが終了します。
その場合、100万円分購入したファンドは
そのまま放置してもよいものでしょうか?
評価額の変動があるにせよ、
口数が増えないまま、
毎年「運用管理費用」だけが天引きされるのはもったいない気がしてしまいます。
ご心情、お察しします。
上記は、
結論(答え)はカンタンで、
(そのまま)ファンドを持ち続ければよい。
となります。
つみたて投資という形で投資を始めると、
「つみたて」を続けていないと
投資が稼働しない・・、
すなわち資産が増えないのでは・・という『懸念』に駆られてしまいがちです。
たしかに
毎月5万円ずつファンドを積立ていると、
毎月「入金」をしているわけで、
資産は少しずつ増えます。
では、です。
こんな『具体例』はいかがでしょうか?
手元の預金(100万円)があって、
明日、一度に100万円分、
インデックスファンドを買い付けるのです。
※これは積立ではなく『一括投資』。
この場合、
リスク資産(投資信託)が
ゼロから一挙に100万円に増えます。
そして『一括投資』ですから、
ファンドの買い付けは「一度」で終了。
というか・・・、
100万円分『一括投資』し終えたあとから、投資が始まりますよね。
その後、長い期間を経て、
ファンド価格が上昇していけば、
(入金したお金は100万円のみだったとしても)
あなたが持つファンドの『評価額』は
110万円、130万円、150万円・・と増えていくはずです。
つまり、
毎月5万円ずつインデックスファンドを積立投資し、
20か月後に積み立てが終了して、
その時点で
ファンドの時価評価額が仮に「110万円」だったとすると、
その投資信託を
そのまま持ち続けるのみでも、
長~い目で見れば
資産は増えていくわけです。
さらに、もうひとつ付け加えてみましょう。
月5万円、20か月積み立てて、
その後持ち続けている商品が、
『分配金を出さない株式インデックスファンド』であれば、
たとえ新規の入金がなくても、
ファンドが組み入れているれる
たくさんの個別株式が各々出す『配当金』を、
ファンド内部で【再投資】し続けることになるため、
『再投資効果』を享受することができます。
(実は)ある程度の期間『積立投資』を続けて、
その後「つみたて」は終了し、ファンドを持ち続けるというスタイルは、
個人の資産運用ではよくあることです。
「新NISA」です。
新NISAでは
一人当たりの「生涯投資枠」は 1800万円ですね。
例えば、
月10万円の「つみたて投資」を15年続けると、もうそれ以上「NISA口座」で積立を続けることは出来ません。
10万円×12ヵ月×15年
入金した「1800万円分」(もちろん時価は変動)を、そのまま持ち続けることになります。
途上で大きなアップダウンはあるでしょうが、長~い目で見れば、あなたの資産は少しずつ増えていくはずです。
投資の根っこの部分で重要なのは、
常に「リスク資産」を保持し続けることそのものなのです。
カテゴリ:つみたて投資