『オルカン』純資産額5兆円 → 50兆円への道
2024年12月18日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
我らが『オルカン』
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が純資産総額5兆円を突破しました。
おめでとうございます!
というか・・
運用を開始して
まだ6年しか経っていないのに、
その成長の早さには目を見張ります。
わたしはロイターの記事を読んで
思わず「えっ!?」と声に出してしまいました。
年初は1兆8000億円程度だったが、新NISA(少額投資非課税制度)開始などが追い風となり、同日時点で5兆0146億円となった。
そうなのです、
たった1年で純資産額が3倍近くになったわけです。
しかし、です。
ビジネスモデル的には
『オルカン』の純資産額が5兆円になっても、
信託報酬が0.05%とすると、
収入は25億円程度。
※利益ではありません。
『オルカン』は
純資産額が50兆円ほどになって、
(信託報酬0.05%で)
ようやく収入が250億円程度になり、
「ちゃんと利益が出る製品になったね」と言われるようになるのでは?
※この信託報酬という収入は
運用会社だけでなく、
販売会社と受託会社も含めて「分け合う」のです。
では、
『オルカン』が
純資産額50兆円になるために必要なものとは?
もちろんNISA口座や特定口座での更なる普及でしょう。
(これが『本流』です・・)
でも、意外な『販路』も残されています。
それは企業型確定拠出年金(企業型DC)です。
企業型DCでの総資産額は20兆円を超えてきています。
ここは金融庁と厚労省がタッグを組んで、
企業型DC加入者の「受益者利益」を前面に押し出して欲しいのです。
そもそも、
企業型DCが始まったのは2001年のこと。
仮にも
DCというしくみの中で『資産運用』を行っているわけですから、
そして、
投資に係る『リスク』はすべて加入者本人が引き受けているわけですから、
投資信託の「商品ラインナップ」については、投資信託マーケット、資産運用全般の環境変化に合わせて、
商品のアップデートをしていく義務がある。
と謳うべきではないでしょうか?
『オルカン』に関しては
iDeCoでいくつか取扱いがありますが、
企業型の確定拠出年金では、
わたしが知る限り、
北國銀行が運営管理機関を務める「企業型DC」で
ラインナップがあるのみです。
外国株式インデックスファンドがあるくらいだよ。」
という、
企業型DC加入者は多いのではないでしょうか。
裏を返せば、
『オルカン』にとっては手付かずの市場(マーケット)が残っているということ。
『オルカン』そのものの純資産額が成長するのは喜ばしいことです。
しかし、
市場が上がる時も下がる時も、
自分が選んだファンドを「持ち続けられるかどうか」は、『オルカン』の保有者であるあなた次第です。
初期の頃に比べ、
『オルカン』保有者の耐力、
つまりは「定着率」が、若干下がってきているのが気になります。
(以下記事に書きました。)
『スリムS&P500よりオルカンのほうが直近1年の『定着率』が悪くなっています』
カテゴリ:インデックス投資全般, 確定拠出年金(iDeCo・企業型)