インデックス投資全般, 投資信託あれこれ

全世界高配当株ファンドという選択肢(その1)

2024年12月15日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

わたしは職業柄、
ずっと『疑問』に思っていました。

それは・・、

 

「なんで
全世界株式の高配当株インデックスファンド(ETF)がないの?」

 

ということです。

 

 

 

 

これまでは、
「高配当株式ファンド」といえば、

米国の高配当株インデックスファンド(またはETF)が「定番」でした。

 

このカテゴリーでは
提供されているファンド(ETF)は多数あります。

 

 

ところが不思議なことに
国・地域別の選択肢でいうと、

全世界株式の「高配当株インデックスファンド」が見当たりませんでした。

 

 

たとえば、です。

 

ノーマルな『株式インデックスファンド』というカテゴリー内では、実にさまざまな選択肢があります。

ふつうに、

・米国株式インデックスファンド
・先進国株式インデックスファンド
・新興国株式インデックスファンド

・インド株式インデックスファンド
・全世界株式(含む日本)インデックスファンド など、

 

国・地域を横断する
バラエティーに富んだラインナップの中から、
自分に合った『インデックスファンド』を選ぶことが出来ます。

 

 

 

 

 

今年は(いわば「待望の」という形で)
複数の『全世界高配当株ファンド』が登場しました。

 

金融商品の役割の「第一義」は
投資家(消費者)の『多様なニーズ』に応えることですから、

 

 

今日はあなたが
高配当株という投資スタイルに
「興味がある・なし」は(ちょっと)脇に置いておいて、

ある種の「教養」として、
2つの商品についてその概略を知っておきましょう。

 

 

【1つ目】
(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株

 

こちらは『インデックスファンド』です。

6月28日に運用を開始しました。

 

当該ファンドが連動を目指す指数は
MSCI ACWI High Dividend Yield Index」です。

日本語ふうにいえば、
『MSCI全世界高配当株指数』となります。

 

「(アムンディ・インデックスシリーズ)オールカントリー・高配当株」は年4回「分配金」を出す、いわゆる高配当株型のファンドです。

 

 

 

 

〇組入れ上位5カ国は?

 

 

 

画像元:アムンディ「月次レポート

 

 

『全世界株式インデックス』に比べて
米国の比率が低めです。
スイスの比率が高いですね。

 

当該ファンドが連動を目指す
「MSCI ACWI High Dividend Yield Index」は、
「MSCI ACWI Index」(オルカンが連動を目指す指数)のサブ指数の扱いですから、

 

日本を含む47ヵ国の中から『高配当の株式』を組み入れているわけです。

 

 

組入れ上位の業種(セクター)は?

 

 

 

画像元:アムンディ「月次レポート

 

身近な生活関連で占められています。

情報通信、テクノロジーは
上位には入っていません。

 

 

また、当該ファンドは11月末現在「510銘柄」を保有しますが、その上位『10社』が下図です。

 

 

 

画像元:アムンディ「月次レポート

 

 

いわゆる配当利回りが高めの生活関連企業がほとんどを占めます。

 

インデックスファンドの『カテゴリー別』で見れば、


これまで「空白」だった、
全世界の高配当株式インデックスを埋めてくれる『投資対象』といえるでしょう。

 

また当該ファンドの運用管理費用は
年0.165%(税込)です。
充分に低い水準です。

 

 

 

 

当ファンドはSBI証券、楽天証券でも販売されています。
NISA口座では『成長投資枠』の扱いとなります。

 

ただ、問題が一つあります。

 

 

純資産額がぜんぜん増えていないのです。

 

運用開始からすでに5か月半が経過しますが、
当ファンドの純資産額は
『20億円弱』と低迷しています・・。

 

 

運用会社であるアムンディの、
販売促進活動が乏しいと言わざるを得ません。

 

投資信託の世界ではよく言われることですが、
“良い商品だからといって売れるとは限らない” のです。

 

今少し、当該ファンドの純資産額推移を見守っていきたいと思います。

続く・・)

 

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