投資家の感情リスク

日本の若者、アメリカの若者、どちらも『不安』からの投資には要注意!

2024年12月12日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

以前、SNSで
以下のようなコメントを見つけました。

 

アメリカ人は出来ないことを出来ると胸を張って言うけど、日本人は出来ることを謙遜して出来ないと言う、どっちも困る。

 

これは的を得ています。

 

『お金』に関しても、
アメリカ人と日本人は
その捉え方が大きく異なります。

 

日本人はひと言でいうと
『不安』が友だち。

アメリカ人は『楽観』、
「どうにかなるさ」が友だちです。

 

 

 

 

 

日本人はどうも「不安」の比率が
高くなりすぎるきらいがあるのでは。

 

例えば、
就職するときに「期待」より「不安」の要素が大きく、
ついつい今、大丈夫そうな『大きな会社』を選んでしまう。

 

結婚を考えるときに「不安」のほうが大きく、
ついつい今『手堅そうなパートナー』を選ぶ?

 

将来のお金の不安を解消するため、
お金の貯まり方が決まっている『保険』商品を、選んでしまう。

 

資産運用を行ったら行ったで
常に「不安」は付いてまわり、
72歳になっても資産の取り崩しがなかなか出来ない・・。

 

 

たとえば
「超節約術」や「倹約のたぐい」は
日本人のマネー相談の定番です。

 

では、アメリカ人のマネー相談の定番は?
「クレジットカード負債の圧縮」です。

 

使いすぎのアメリカ人。
使いなさすぎの日本人。

 

 

 

 

 

誤解がないように申し添えると、

そこそこの『不安』を飼っておくことは、
次なる行動を起こすエネルギー源になります。

 

「そこそこの」将来に対する不安は、
自分のお金をもっと主体的に動かそう!という、いわば「投資」を行う動機付けにもなります。

 

でも「そこそこ」なのです。

 

 

若者に目を転じると、

日本の若者もアメリカの若者も、
将来に対して『不安』を抱えています。

 

 

 

 

率直に申し上げて、

所得格差の大きさ
社会的な分断の深度などから云えば、
アメリカの不透明性のほうが(日本のそれより)大きいとわたしは感じます。

 

では、アメリカの若者が『不安』のあまり、倹約で安定志向になり、ひたすら縮こまっているかというと、ぜんぜんそうではなく、逆に衝動的消費に走ったりしています。

 

 

 

アメリカの若者は多大な借金を抱えており、将来を悲観して(記事内の言葉でいえば)『破滅的消費』に突き進んでいるのだそう。

 

 

特に深刻なのが
巨額の学生ローン残高です。

 

上記記事によれば、
米国の大卒生の約半数が平均3万7850ドルのローンを抱えて卒業するとのこと(約4200万人の米国人が連邦政府の学生ローンを借りている状況なのです。)

 

 

さらに物価高(特に住居費の高騰)にも遭って、
将来を悲観し、
衝動的消費に走るアメリカの若者。

 

いっぽう
将来を悲観して、
ひたすら倹約に走る日本の若者。

好対照です。

 

 

 

 

 

しかし、です。

どちらの若者も気を付けないといけないのが金融商品です。

特に、心もとなさから
『投資型の商品』にのめり込むのは切に避けなければなりません。

 

 

正直、資産運用業界は
心の中に巣くう『不安』を飯のタネにしている面があります。

 

・物価上昇(インフレ)が続きますよ~
・社会保険料が上がり続けますよ~
・公的年金の受給時期、受給金額が不透明に~
・人口減少で富のパイがどんどん減っていきますよ~

・何もしないとタイヘンなことになりますよ~

 

 

 

 

不安に駆られて金融商品を買ってしまう
消費者の「エネルギー」の大きさを、

 

ワンルームマンション業者も
保険会社も
銀行も証券会社も
暗号資産の関連業者も
金・貴金属取扱い業者も
海外口座での海外ファンドの積み立てを勧めるアドバイザーも

その他良すぎるリターンを宣伝する一見華やかな事業会社も、みな「熟知」しています。

 

特に昨今はスマホ経由で
投資商品の勧誘に浸かってしまう可能性があり、要注意なのです。

 

 

 

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