分散投資とは?
2024年12月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
分散投資とは・・?
ヒトの本能に反する行為です。
私たちの先人は
いつだって「選び切って」きました。
遥か数百万年前でも、
今、この瞬間、
手が届きそうな獲物の「イノシシ」を追うのか、
それとも池の向こうにいる巨大な「マンモス」を狙うのか。
そのような『決断』を何度も迫られ、
いずれかを選び切って果敢に行動したわけです。
暮らしの細々したスタイルから、
共同体の暗黙ルール、
この場所に留まるか・移動するか、
移動するとしたら、
右に行くのか・左に行くのか・真っすぐ進むかに至るまで、ヒトの歴史は『選び切る』の連続でした。
物事を選び切れず、
中途半端な選択を繰り返した人(種)は結局、滅んでいったわけです。
(換言すれば、)
私たちは
物事を『選び切ってきた』者の子孫といえます。
上の獲物の例で捉えると、
いかに難しいかが分かります。
なぜなら『分散投資』とは、
選び切る、とは真逆のベクトルを有するためです。
ひとつだけを追う ×
両方を追う・・△
四方八方を(なるだけ無駄がないよう)少しずつ追う。〇
四方八方を(なるだけ無駄がないよう)少しずつ追うなんて、あなたの生活(家庭)、お仕事、生き方においてあんまりないのではないでしょうか?
例えば、前回のカウンセリングから
6年、7年以上空いて、
再びご予約をいただいたお客様には、
こんなに面白くもない分散投資を
浮気もせず、
長きに渡って続けてこられて素晴らしいです。
みたいなメールをお送りすることがあります。
ホントにそう思うのです。
面白い、ワクワクする行為から
もっとも遠いところに
『分散投資』というスタイルは在ります。
「だったら、なんで広まっているの?」
これは根本疑問のひとつでしょう。
『分散投資』が広まってきた理由は過去、
先輩の投資家の皆さんが何百年に渡り、
(分散投資をせずに)
(あるいは分散投資が出来ずに)
何百回、何千回と痛い目に遭ってきたからです。
数えきれないくらい挫折し失敗してきた「投資家マインド」が、防衛本能として『分散投資』を選択させるわけです。
何百回、何千回と痛い目に遭ってきた と述べましたが、
痛い目に遭うという現象は、
『リスク』が発露する と言い換えることも出来ます。
ふつう『リスク』とは
地表の下でひっそりと内在しているものです。
まさか地表の上に突如現れるなんて・・と、誰しも思っています。
が、ほんとうに「たまに」地表の上には現れます。
命の次に大事なお金なのに、
個別銘柄に投資をすることで、
それが「ゼロ」に帰することがある。
個別銘柄で
信用取引を行っていれば、
「借金」だけが残る場合もあります。
投資で一獲千金を狙う人には申し訳ないですが、
俗に「氷山の一角」という言い方をしますが、
私たちが現に感じ得るリスク要素というのは、まさに「氷山の一隅」のようであり、
その他大部分は、
ふだんの思考では到底及ばない部分にひっそりと佇む『マグマ』なのです。
『リスク』(不確実性を孕んださまざまな因子とその状態)は、具体的な銘柄やマーケットそのものに関するものだけではありません。
「外部環境」が、
個別の銘柄やマーケットそのものに、直接間接に影響を与えたりもします。
たとえば一例ですが、
気候変動は自然界の現象としての、リスク発露の一端かもしれません。
最近では地政学的なリスクの発露が活発です。
(現に戦争と呼ばれる現象が複数同時に起こっています)
人の根本的な考え方の変化も、たいへん気になります。
〇情報技術社会がこれほど進んだのに、
人がどんどん分断しているのはなぜなのか?
〇日本の出生率低下が危惧されているが、
実は、韓国、台湾、中国の出生率のほうが日本よりも低い。
(インドでさえ、出生率は2.0を若干上回る程度にまで下がってきています)
子どもを生まなくなるという人の選択は何を示唆しているのか?
結局「分からない」「分かり切れない」ということを、より切実に知覚する人が『分散投資』に努めるのです。
カテゴリ:投資の発想法