指数のお話

S&P500が定期的な『銘柄入れ替え』を12月23日に実施予定(指数の「中身」はどんどん変わります)

2024年12月10日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

米国を代表する株価指数『S&P500』が
定期的な「銘柄入れ替え」を発表しています。

2024年12月23日実行予定)

 

『新規採用』アポロ・グローバル・マネジメント
      ワークデイ
『除外』  コルボ
      アメンタム・ホールディングス

 

詳細はS&P Globalのプレスリリースへ(英語)

 

 

 

 

 

ちなみに、

2024年9月30日、10月1日(実行済み)は

 

『新規採用』アメンタム・ホールディングス
『除外』 バス・アンド・ボディー・ワークス

 

 

2024年6月24日(実行済み)は、

 

『新規採用』 KKR
    クラウドストライク・ホールディングス
    ゴーダディ
『除外』  ロバート・ハーフ
      コーメリカ
      イルミナ

 

でした。

 

 

S&P500は『四半期』ごとに銘柄入れ替えを行っています。

 

あなたが仮にS&P500との連動を目指す
インデックスファンドを「10年間」持ち続けたとしても、

その『中身』はけっこう入れ替わっていくわけです。

 

 

 

 

 

では30年、40年ではどうでしょう?

 

もうS&P500の構成銘柄は
ー特に上位組み入れ銘柄は、―

「容姿が別人かも?」と言っても過言ではないほど変貌します。

 

 

 

画像元:大和アセットマネジメント

 

 

指数とは世の中の変化を反映し、
常に『新陳代謝』を行うマインドを内包するのです。

 

 

たとえば「ナスダック100指数」との比較でいえば、

S&P500指数は
業種(セクター)の分散に重きを置くのが特徴です。

 

『S&P500』11のセクター(業種)

 

情報技術
金融
医療
消費者向けの製品
通信サービス
製造業
消費者向け必需品
エネルギー
不動産
素材
公共事業

 

 

 

 

 

対して「ナスダック100」は
金融(Finance)をまったく組入れておらず、
テクノロジー、情報通信に偏重した指数です。

(巨大なセクター指数と揶揄されることもあります)

 

S&P500では、業種ごとの組入れでは
時価総額ベースでの比率を基本としながらも、

『業種分散』が損なわれることがないよう、
配慮がなされています。

以下、S&P500の業種別比率のイメージです。

 

 

 

 

画像元:Voronoi

 

S&P500という指数の中身を選定し、
管理しているのは、『U.S. Index Committee.』
米国インデックス委員会と呼ばれるコミッティなのですが、

※月1回定期会合を開いています。

 

このコミッティは
組み入れ銘柄自体にも、厳しめの『条件』を課しています。

 

具体的には・・、

 

・時価総額そのもの
・株式の流動性(売買量)
・その会社の浮動株の比率
・企業の収益などにおいて、一定条件を定め、

 

条件をクリアして初めて『指数』への採用が検討されます。

 

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが発行する
S&P 500® The Gauge of the Market Economy』(PDF)を参照してみてください。

 

もうお分かりの通り、インデックスファンドとは「市場平均」を買うだけの道具ではありません。市場全体の『変化』を一貫して持ち続けるツールなのです。

 

 

 

 


そんなこんなでS&P500のお話をしていましたら、
嬉しいニュースが飛び込んできました。

 

 

来年1月にも「スリムS&P500」の信託報酬が年0.08140%に引き下げられるそう。


有り難いことですね。

 

カテゴリ:指数のお話

おすすめの記事