100年ライフプラン, 投資家の感情リスク

1980年代以降生まれのあなたへ。お金が増えるという現象にゆっくり慣れていきましょう

2024年12月2日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

投資を続けることって
(どこか)こころの鍛錬みたいな面があります。

よく、

「大きく下がっても
決してパニックにならず、持ち続けることが大切だよ」と言われます。

 

同様に、

「マーケットが大きく上がって
予想外に利益が膨らんでも、
へんに動揺したりせず、持ち続けることが大切。」これも真なりです。

 

 

 

 

 

下がった時に『ガマン』は必要ですが、
上がる時にも『耐力』が要るもの。それが投資でしょう。

 

もちろん、
投資10年選手のほうが、
(投資のビギナーに比べて)

上がった時の『耐力』も高いと思います。

 

 

が、ここでは
投資経験の多寡には触れません。

あえて世代間の違いを挙げたいと思います。

 

投資のふしぎとは、

 

ある商品(金融商品)を買うだけで
プラスの利益を得たり、
マイナスの損失を被ったりするところにあるのではないでしょうか。

 

 

今62歳とか68歳とか、
70代より上の人は、

銀行預金や郵便貯金で
ふつうに利息が付いて
プラスの収益を得てきた『経験』をお持ちです。

 

(以下、1990年12月の預金金利等)

 

 

 

 

要は『金融商品』を持つだけで
プラスの利益を得られるという現象に、多少慣れているわけです。

 

ところが、です。

日本では20年超、
デフレ、またはデフレに近い経済状況が続いたため、

金融商品を買って、
プラスの利益を得られるという『感覚』を、暮らしの中で体感していない人が大勢います。

 

たとえば(一例ですが、)

1980年代生まれ、
1990年代生まれの人にとって、

 

銀行預金とは「お金を預けておくところ」という認識ではないでしょうか。

 

銀行預金は、
実は銀行(会社)にお金を貸して、
利息(プラスの収益)を得る「金融商品」。という意識が希薄なのかもしれません。

 

 

さて、翻って投資の話です。

 

 

 

 

 

NISAなどで思いもかけず『利益の額』が大きくなると、

(嬉しいはうれしいのですが、)

「いつの間にこんなに利益が・・」と、

「数字」を確認した際に、ヘンな戸惑いの感情が浮かび上がってきて、なんら不思議はありません。

 

〇 「なんだか、ソワソワしてきて。」
〇 「落ち着かないです。」
〇 「利益の分だけでも売ったほうが・・。」

みたいな感覚が生じるのは、

利益の存在に
まだ慣れていないためです。

 

なにせ
商品(金融商品)を持ち続けるだけで
儲かる(利益)みたいな経験は『はじめて』なわけですから・・。

 

下記は長期の「預金金利の推移」です。

 

 

 

画像元:青森銀行

 

ちょうど1995年あたりが分岐点になっています。

 

若い人は、

金融商品を保有しているだけで
利益が出るということそのものに『免疫』が乏しいわけです。

 

ですので、投資における『利益に慣れない病』に(より)かかりやすいのだと思います。

 

が、『利益に慣れない病』は誰もが通り過ぎる軽いやまいです。

子どもの頃にかかる「はしか」のようなもの。

少しずつ、ゆっくり慣れていけばよいのです。

 

カテゴリ:100年ライフプラン, 投資家の感情リスク

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