NISA活用法

NISA口座にはなくて、特定口座にある『メリット』って何だ?

2024年12月1日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

NISA口座も特定口座(課税口座)も、
金融商品を入れる『箱』です。

それぞれに特徴があります。

パッと見て、
明らかに違うのは、

 

NISAという箱では
最終、金融商品を売却する際に「非課税」になる特典が付いていること。

 

これは、特定口座にはありません。

 

 

この特典(非課税)があまりにも輝いているので、
わたしもあなたも目が釘付けになり、

NISA最高!!

となってしまいがち。

 

 

 

 

 

が、もちろん、

特定口座には
特定口座独自の『メリット』が存在します。

 

 

1.特定口座(課税口座)では損益通算が出来ます

 

含み損がある商品を清算したいという気持ちは
誰にでもあるはず。

ところがNISA口座では(そもそも)損益通算が出来ません。

 

 

2.特定口座(課税口座)では口座移管が出来ます

 

特定口座では、
たとえば楽天証券で持っていた「任天堂の株」や、
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」といった投資商品そのものを、

 

別の窓口に、
たとえばSBI証券という会社の証券口座に移すことが出来ます。
(これが『口座移管』です)

 

 

 

 

 

(ところが)NISA口座では、
保有する金融商品の口座移管ができません。

 

例えば2024年に
マネックス証券のNISA口座で買った
全世界株式インデックスファンドは、

たとえ2025年にNISAの窓口を楽天証券に移したとしても、マネックス証券NISA口座で保有し続けるしかありません(売らない限り)。

 

 

3.特定口座(課税口座)のほうが、安易に投資商品を売りにくい

 

 

 

 

これは少し分かりにくいかもしれません。
(が、とても大きなメリットなのです)

 

 

たとえば、です。

「特定口座」でコツコツファンドを16年間積み立て、
今、ファンドの時価が1200万円になっています。

 

とても嬉しくなったため、
このあたりである程度「利益確定」するべきでは?と思い、

思わず『600万円分』解約しそうになりました。

 

 

しかし
自分の「資産管理画面」をよーく眺めてみると、

 

時価1200万円に対して、
(評価損益 プラス600万円)となっています。

 

 

これは(これは、)

売ってしまうと、多額の税金が差し引かれることに・・。

 

ハイ、そうです。

 

 

今600万円分ファンドを解約すると、
うち利益が『300万円』となり、

およそ2割の課税とすると、
税金だけで『60万円相当』になります。

 

すると手取りは540万円くらいに・・。

 

 

 

 

・・・なんか悲しい!!・・・・・・
という感覚が、

 

保有する投資信託を安易に売ってしまわない『抑止力』として働いた結果、あなたはファンドを解約せずに済みました。

 

これが
特定口座(課税口座)のメリットです。

 

 

翻ってNISA口座です。

 

 

ファンドの時価1200万円に対して、
(評価損益 プラス600万円)となっていれば、

特に使い道がなくとも、

「ちょっと売っておこうか」と思ってしまうかもしれません。

 

いや、
1200万円にまで至らずとも、

 

ファンドの時価評価額が500万円程度になっただけで、
あるいは50万円、100万円程度「利益」が生じただけで、
『売りたい病』が発症するかもしれません。

 

なにしろ『非課税』ですから!

 

 

この誘惑は、抗いがたく、執拗であり、ねちっこいのです。

これこそ『NISA口座』の注意点なのです。

 

 

 

 

 

『箱』の特性を吟味すれば、
NISA口座よりも特定口座のほうが『長期保有』しやすいという帰結になります。

 

換言すれば、
NISA口座で10年、20年と長期保有するのは(イメージよりも)うんと難しいのです。

 

カテゴリ:NISA活用法

おすすめの記事