『インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド』という選択肢について
2024年11月20日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
S&P500指数をはじめとして
たいていの株価指数は「時価総額加重平均型」です。
大きな会社は大きく組入れ、
小さな会社は小さく組入れるイメージです。
これは市場平均という物差しの王道であり、
とても理に適っています。
が、しかし、
S&P500指数の一分派として『S&P500均等指数』という選択肢があるのをご存じでしょうか?
実は「S&P 500 Equal Weight Index(指数)」というものがあり、同指数は通常のS&P500の『均等型版』なのです。
『均等型指数』は文字通り、
指数に組み入れられる銘柄を【等分に】保有します。
S&P500の構成銘柄が500社なら、
一社につき、0.2%ずつ均等の組み入れとなります。
画像元:SBI証券
するとどうなると思いますか?
『均等型の指数』では、
大きな会社も
小さな会社も、
組み入れ比率が同じになるため、
(S&P500の中でも
時価総額が小さめの)
中小型株が買い上げられるという、
いわゆる『中小型株効果』が発生します。
また、
(S&P500の中でも利益に対して株価が割安に放置されている)バリュー株が買い上げられるという、『バリュー株効果』も発生します。
画像元:: S&P Dow Jones Indices
ある意味、
大胆な組み入れ構成となるのです。
現状のS&P500指数は、
時価総額が巨大なテック系企業、マグニフィセント7をはじめとして、上位10社のS&P500に占める割合が「37%」とあまりに大きくなり過ぎています。
Another day, another record:
— The Kobeissi Letter (@KobeissiLetter) November 5, 2024
The top 10 companies in the S&P 500 now account for a record 37% of the index.
This percentage officially exceeds peak levels seen during the 2000 Dot-Com bubble by 10 percentage points.
Over the last decade, the market concentration has more than… pic.twitter.com/ROQEnzhbhW
この「37%」という比率は、
2000年のドットコムバブル時を上回る数字です。
新型コロナウイルス発生時からここまで、
巨大テック系企業が指数の花形として、
いわばターボエンジンの如く
S&P500のパフォーマンスを引っ張ってきました。
以下、あくまで私見ですが、
今後は、
いびつな構成割合となったS&P500指数よりも、
「S&P500均等型指数」のほうが、
割安となっている株式、
特に中小型のバリュー株を
巨大企業と『同等に』組み入れられ、
全方向型の小型エンジンを搭載するイメージになると考えます。
この記事を読んでいるあなたも、
今はじめて『均等型指数』のことを知ったかもしれません。
このようなanother choice的な考え方が
メジャーにならずとも、
もっと脚光を浴びてもよいのではとわたしは思っています。
事実、指数ベースで比較した場合、
2003年から2022年末までの20年では、
「S&P500均等型指数」のほうが、
「S&P500指数」より
より優れた成績を残しているのです。
そして、実質的に
この「S&P500均等指数」との連動を目指すのが、
「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」です。
(NISAの成長投資枠でも購入できます)
当該ファンドは実質的に
Invesco S&P 500 Equal Weight ETF(RSP)に投資を行っています。
最後に、
『S&P500均等型指数』は
四半期ごとにリ・バランスを行っています。
※組み入れ比率を【等分に】保つためです。
値下がりしてウェイトが下がった銘柄を買い増し、値上がりした銘柄は一部売却をすることに繋がります。
均等型の指数には、
全方位分散で安定走行を心がける乗り物のような感覚があります。
カテゴリ:インデックス投資全般, 指数のお話