アラカルトなのか、定食(セット)なのか?
2024年11月16日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資って難しい・・。
こころの奥底で
(私たちは)そう感じているのかもしれません。
(むずかしい投資だから、)
いろいろなコトに関心を寄せて、
いろいろなモノを持っておかないといけない・・。
そんな『防衛心』が働くのでしょうか。
たとえば、
ファンド(ETF)の種類も、
ある程度手広く保有しておいたほうが良さそう・・
ということで、
D、E、F、
それからHとGとMファンドも買っておこう。
という気持ちに傾きがちです。
これは料理でいうところの『アラカルト』でしょう。
コース料理ではなく、
自分が好きなメニューを一品ずつ注文するスタイル。
もちろん、これはこれで悪い話ではありません。
しかし、
料理とちがって
資産運用では管理(メンテナス)を継続的に行う必要があるため、
投資信託でいえば、
A、C、DとEとFと、それからHとGとMファンドも買っておこう。となると、『適切な割合で管理するにはどうすればよいか?』という、別の問題が持ち上がります。
『Bというインデックスファンドの中身』が、
それからHとGも『含んでいる』としたら・・?
別にBという投資信託だけを積み立てて、保有し続ける。というスタイルでも良いわけです。
(プラス、果たしてMという投資対象は「必須」なのかも熟考してみる・・)
私たちは物事をシンプルにすると → 単純で稚拙な行いになる。という思い込みから脱却する必要があります。
上記の、
Bというインデックスファンドは
『定食』(セット)のイメージなのでしょう。
あなたがアラカルトで
A、C、DとEとFと、
それからHとGを「注文」して食べるケースと、
Bという定食(セット)を頼んで食べるケース。
※Bの中身は実は(A、C、DとEとFとHとG)です。
どうでしょう?
頭の中で食してみてどうですか。
アラカルトで注文しても、
定食(セット)として頼んでも、
胃の中に入ってしまえば、
何を食べたかという内訳は同じでしょう。
いやカンさん、
それは違うよ。
A、C、DとEとFと、
それからHとGをアラカルトで「注文」すれば、
それぞれを、
自分が「よし」と思える分量で「注文」できるよ。
なるほど・・。
では、資産運用に置き換えてみましょう。
あなたが自分で
Aファンド、Cファンド、Dファンド
EファンドとFファンドと、
それからHファンドとGファンドを、
自分が「よし」と思える分量で買い付けし、
その後も、
自分が「よし」と思える割合で管理し続けたほうが、
定食B(A、C、DとEとFとHとG)として保有するよりも、果たして結果リターンは良くなるのでしょうか?
たとえば、です。
最近Dファンドは好調なので、
保有割合をより高くしようか?とか、
最近Hファンドは不調なので、保有割合を下げてみようか?とか、
ファンドの組み合わせを行っているからこそ、
悩みのタネが育ってしまう・・
そして、
あなた(運用者)の恣意性で
資産配分の『割合』を意図的に変えていくことで、
(もしかすると)その労力そのものが、プラスアルファのリターンには貢献せず、
Bファンドという定食(セット)のメニューにしておいたほうが、労力も少なく、結果リターンも高かったという例は(実は)枚挙に暇がありません。
資産運用においてシンプルさを堅持することは、
単純さではなく、洗練の現れなのです。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資の発想法