インデックス投資全般, 指数のお話

オルカンが連動を目指す『MSCI ACWI指数』が構成銘柄を入れ替えへ

2024年11月10日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

まず初めに、

オルカン、
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、
ただの全世界株式ファンドではありません。

 

オルカンは、
MSCI全世界株式指数(MSCI ACWI)との連動を目指すファンドです。

 

ですので、
『オルカン』という商品の中身は、

ファンドマネージャーが芸術感性でもって、

「エイ!明日はB株を半分売って、
明後日D株式を買い付けよう。」みたいに運用するのではなく、

 

MSCI全世界株式指数という『設計図』通りに運用を行います。

 

 

 

 

 

なぜなら、
そもそもインデックスファンドとは、

「特定の指数」や
「特定の資産価格」と同じ値動きになるよう運用されるものだからです。

 

さて、
オルカンの設計図である
MSCI全世界株式指数(MSCI ACWI)が、

世界ベースで銘柄の入れ替えを行うと発表しています。

 

 

 

なんだか大げさに聞こえますが、

 

『MSCI全世界株式指数』自体が
日本を含む世界47ヵ国の、
2600社以上の株式を保有するため、

入れ替え規模はごくごく一部に過ぎません。

 

あなたが頭の隅に記憶すべきは、
『指数』というものは、生き物である。

という点でしょう。

すなわち『オルカン』そのものも、生き物である。

 

 

 

 

 

 

社会や株式市場の変化に伴って、
その中身(銘柄)を定期的に入れ替えていく、

中身を常に『新陳代謝』していく、ということが株価指数という物差しには、深く刻まれているわけです。

 

転じて、インデックスファンドという商品の根っこの性質も、定期的な銘柄の入れ替え = 新陳代謝 なのです。

 

 

今回のMSCI全世界株式指数の銘柄入れ替えは11月25日に実施されます。
(毎年5月と11月が『入れ替え時期』だったと記憶しています)

 

 

画像元:ブルームバーグ(英語)

 

以下、銘柄入れ替えの概要です。

 

MSCI 先進国株式指数(MSCI WORLD)部分で
もっとも大きな追加3銘柄は、スポティファイテクノロジー、カーバナ、CVC キャピタル。

 

MSCI 新興国株式指数(MSCI EMERGING MARKETS)部分でもっとも大きな追加3銘柄は、インターナショナル・ゲームズ・システム(鈊象電子)、カリヤーン・ジュエラーズ、オベロイ・リアルティです。

 

 

ちなみに、
日本株式に限っていえば今回、

 

マツダ、イビデン、野村不動産ホールディングス、浜松ホトニクス、京成電鉄、日本プロロジスリート投資法人、ローム、SUMCOの8銘柄が除外され、フジクラが新規の組入れとなります。

 

 

 

 

 

オルカンが連動を目指す
「MSCI全世界株式指数」(MSCI ACWI)は、

「MSCI 先進国株式指数」(MSCI WORLD)と「MSCI 新興国株式指数」(MSCI EMERGING MARKETS)から成り立っているわけです。

 

以下余談ですが、

実はMSCIという指数算出会社の「インデックス構成」では、

MSCI 新興国株式指数の下に、
『MSCI フロンティアマーケット指数』というものもあります。

 

同指数は
ベトナムやルーマニアやナイジェリアやケニアなどがその構成国となっています。

 

要は、

「MSCI 先進国株式指数」
「MSCI 新興国株式指数」
「MSCI フロンティアマーケット指数」

という区分けになっているのです。

 

 

 

 

『株価指数』で興味深いのは、

 

「先進国株式指数」
  ↑ ↓
「MSCI 新興国株式指数」
  ↑ ↓
「MSCI フロンティアマーケット指数」

 

というふうに、
『上下』でも構成国の入れ替えがあるという点です。

 

 

 

 

 

たとえば
イスラエルは2010年に新興国から先進国株式指数に移行しています。

もちろん「国」が属する指数が変われば、その国の「各銘柄」も移行します。

まこと指数は生き物なのです。

 

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