新NISA、意外に50代、60代が強く(そして)意外に投資信託が強かった(NISAスタート半年間の分析)
2024年11月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
金融庁が
『NISA口座の利用状況調査』を公表しています。
(上半期分:本年1月~6月末)
あなたは本年6月末時点での
NISAの『口座開設数』をご存じですか?
ナント2400万口座強、です。
凄いですね。
ざっくり5人に1人が
『NISA口座』を開設していることになります。
上記開示資料を読めば、
NISA口座において、
どれだけのボリュームの資金流入があり、
どの年代の人が、
どんな種類の金融商品を買っているかが分かります。
今回は
わたしがX(旧ツイッター)でフォローしている
綾小路麗香/マネー編集者さんが
まとめてくださった図表をもとに見ていきましょう。
まず、本年1月から6月末までの半年間で
およそ10兆円強の買付けがNISA口座でありました。
10兆円、です。
その、
買付け金額ベースで見た「年代別の割合」は?
【NISA上半期③/5】新NISA半年で10兆円買われたうち誰がどれくらい買った? ギリ1位は50代の買付金額2兆1130億円、2位は40代2兆397億円、3位は60代1.9兆円。70代も1.3兆円ってとこにプチ驚き。うちの親も70代だがNISAしてない(・-・)「口座数」だと1位40代、2位50代、3位30代の順でした(②参照)。 pic.twitter.com/MeAj92Uh7y
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) October 30, 2024
意外に50代、60代が強い。
(そして70代までがなぜか強い!)
それに、
NISAでの買い付け額は、
乗り換え資金も相当含まれています。
のりかえって?
つまり、
もともと特定口座で持っていた個別株や投信や、
旧NISA、
特に一般NISAで持っていた投資商品をいったん売却して、新NISAという箱で新たに買い付けるというニーズですね。
30代、40代の人は
まだ長い投資履歴がないため「乗り換え」需要は正直乏しいです。
NISA口座への買付けは
『新規の資金』がメインとなっているはず。
が、例えば、今年55歳の人だと、
45歳から投資を始めていても10年の「投資履歴」があるわけです。
これはそのまま、
新NISAに持っていける原資をそれだけ有している。ということに繋がります。
わたしが意外に思ったのは、
「年代別」で見た、
純粋なNISA口座開設者数の割合でも、
上の世代(50代以上)がけっこう強かったことです。
10代~40代の人たち(資産形成期)を合わせても、NISA口座保有者数の割合としては『48.7%』と、5割を切っています。
(本年6月末時点の数字)
画像元:金融庁「NISA口座の利用状況調査」
ココは課題ではないでしょうか。
NISAは、
資産形成のための「メインフィールド」ですから、
10代~40代の人たちが全口座開設者の中で
6割、7割を占めるくらいが理想でしょう。
NISA制度は『国民のインフラ』として根付いたと言えるわけです。
続いて、
NISA口座で「何が買われているのか?」
【NISA上半期②/5】新NISA2024年1-6月で10兆1341億円、何かしら買われました。半年経過時点での内訳は個別株が36.1%、投資信託が60.5%。ETF2.9%って思ったより少ないな~(ちょくちょく私Xで取り上げるけど、やめようかしら…)。REITは雀の涙。ここから先、投資信託の割合がもっと増えそう。 pic.twitter.com/1Dn9tV6dCh
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) October 29, 2024
こちらは『投資信託』の健闘ぶりが目立ちます。
NISAの
つみたて投資枠は
「ほぼ投資信託しか」買えないので、
(投資信託の)比率が上がるのは当然です。
いっぽう成長投資枠は個別株も購入できるため、
トータルで見ても、
もっと個別株の比率が高いと思っていました。
前述のように、
50代、60代以上の買付けパワー(金額ベース)がけっこう大きく、この世代の方々は「個別株」に馴染みが深いため、投資信託が6割というのは正直意外です。
50代、60代以上の方々が(以前よりも)長期・分散型の投資姿勢となり、
このブログをお読みのあなたは
ご存じでないかもしれませんが、
証券業界においては、
つい20年位前までは
「日本の個別株」が提供商品の花形であり、
投資信託、
それも海外の株式や債券に投資する投資信託など「付録」のような扱いだったのです。
まさに隔世の感があります。
追記)
綾小路麗香さんが言われる通り、
ETFの比率が低いこともわたしには意外でした。
カテゴリ:NISA活用法