定年制にサヨナラを。
2024年10月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
“定年退職すれば、
その後は『老後』の生活が待っています。”
上記、日本語としては間違っていません。
でも、よくよく考えてみると「定年」ってヘンなことばです。
会社や社会が規定する「一定の年齢」に達すると、職業人生を辞めさせられるなんて(やっぱり)ちょっとおかしな話です。
仮に定年退職(65歳)とすると、
職業寿命 < 健康寿命 < 生物的寿命
となり、
「健康寿命」と「職業寿命」の差異が大きいことが、シニアの資産管理を難しくしていることが分かります。
言い方を換えれば、
これこそが、シニアのお金の問題を解決する処方箋となるわけです。
少し冷酷な言い方になりますが、
会社は(一定年齢に達すれば)あなたとサヨナラしたいわけですから、
あなたのほうは、
少なくとも40代から『セカンドキャリア』の種を蒔き、それを育てる気概と計画性が求められます。
自ら、定年制にサヨナラと言うのです。
・・・・・・・・ 「幕引き」 ・・・・
Workのとき Retirementのとき
お金稼ぐ) お金使う)
要は、上図でいうところの「幕引き」の時期を、なるだけ後ろ倒しにするということ。
そのためには、
労働市場における
あなた自身の「商品価値」を知り、
それを常にアップデートし、
さまざまな需要元にあなたの存在を知らしめる必要があります。
また、老後問題とは『尊厳の問題』でもあります。
そんげん?
はい。
何歳になっても、
自分らしくモノゴトを選べている、自分らしく思考ができる、
(そして)それがちゃんと尊重されているかどうか。
老後 = セカンドライフというと、
見た目、とても年を取った人が、
縁側に座ってゆったり過ごすみたいな
『ステレオタイプ』なイメージで語られがちです。
でも、ほんとうはシニアの実態は
もっと「多様性」に富んでいるはずです。
年を取るとは、これまでの自分の『実行履歴』が積み重なることですから、
※20キロの米俵を持ち上げられなければ、もはや社会では用事がない。という世の中ではないわけです。
という意味合いでいえば、リタイア後こそ、勉強の好機ではないでしょうか。
あるいは社会貢献や、地域活動に初めて携わる好機でもあります。
あなたが『働くこと』が好きで、
これまでのキャリアの延長上で、
あるいはまるで違った業種、職種で
あるいはこれまでとは違ったリズムで働いていく。というのももちろんOKでしょう。
ときどき拝見する
『金融そして時々山』というブログで興味深い記事があります。
この記事内で
全米退職者協会のジェンキンスCEOの発言が紹介されていました。
A key part of that retirement model that
most of us have grown up with is freedom from work.
Today, a key part of extended middle age is the freedom to work.
リタイアメントの『モデル』は
従前は働くことからの自由を得ることだった。
今、広範なミドルエイジ層に必要なのは
働くことの自由を得ることだ。
追記)
アメリカには『定年』がありません。イギリスでも『定年制』は廃止されました。
年齢による退職勧告制度は、年齢差別に当たるという判断のためです。
カテゴリ:100年ライフプラン