投資家の感情リスク

商品から考えると投資はうまく行きません

2024年10月17日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

おそらくNISAがきっかけだったのでしょう。

あなたは投資に興味を持ち、

そして投資とは
お金を増やしていく作業そのものですから、

 

〇どれ(投資商品)を買ったら
上手くお金が増えるのだろう?

 

ココに関心を抱くのは
しごく自然なことです。

 

 

 

 

 

幸い、SNSや
友人知人のアナログ情報でも、

 

低コストの何とかインデックス・・

 

 

みたいな投資商品が
みな「いいよ!」と言っていたので、

かつ、
これは信用できる情報と思ったので、

あなたは『それ』にしようと決めています。

 

 

こうして最大の懸案である
〇どれ(投資商品)を買ったらいいのか?

 

という課題は解決するわけです。

 

 

いいえ、解決しません。

 

 

 

 

 

今、16行にわたって書いた内容を
もう一度読み返してみましょう。

 

たしかに
一消費者として、

「口コミ」や「レビュー」や「星評価」や「ランキング」、友人知人のアナログ情報を重視することは大事でしょう。

 

私たちの暮らしの中では、

 

家電全般、ラーメン、
映画やクルマや賃貸物件、
各種スイーツから
伊豆半島にいく時のホテル・旅館に至るまで、

 

『評判・評価』を知って
それをもとに決定を下すということの連続です。

 

 

ところで、

どうして私たちは
口コミ、レビュー、
ランキング、星評価などを「気にする」のでしょう。

 

それは、

失敗したくないからです。

 

 

 

 

 

では、その考え方は
「投資商品」を選ぶ際にも有効なのでしょうか?

 

んー、ビミョーです。

正直、ちょっとズレているかもしれません。

 

 

理由は以下に述べます。

 

投資商品の選択において、

仮に、
失敗したくない = 損失は避けたい。とあなたが願っているのなら、

それはピントが外れています。

 

 

なぜなら、
『損失』が生じることそのものは、
投資商品の品質とは直接関係がないためです。

 

 

 

 

 

投資商品はそもそも、

映画やラーメンや、
ホテル・旅館とは 評価の『軸』が異なります。

 

〇成果が判明するのは5年、10年後!

 

何百万円もお金を出して、
「クルマの性能が10年後にやっと分かる。」なんて、ちょっと考えられません。
(そんなクルマ誰も買いません。)

 

でも、
投資商品ってそんな感じなのです。

成果が判明するのは5年、10年後。

 

特に「投資信託」と呼ばれる、
分散を施した金融商品は、

 

そもそも長期で運用し続けて初めて、それなりの成果が期待できるかも?という前提で作られた商品なので、
一朝一夕では『効き目』が現れないという、たいへん変わった商品です。

 

 

ラーメンやスイーツとは対極にある商品といえるでしょう。

 

 

 

 

 

「それなりの成果が期待できるかも?」と上述しましたが、
投資商品では、効用の絶対性はありません。

 

大事なことなので、もう一度言います。

投資商品では、効用の絶対性はありません。

 

つまり平たく言えば、
「絶対もうかるよ。」とは、誰も言えないわけです(未来のことですから。)

 

 

では、投資商品の口コミ、レビューには、何が書いてあるかというと、

 

「手数料が安いよ」とか、
「過去のリターンの実績は年○○%だったよ」とか、

「ぼくは3年保有して100万円が130万円に増えたよ」という情報です。

 

 

最後の、
「ぼくは3年保有して100万円が130万円に増えたよ」を例に挙げますが、

 

このコメントなどまさに、

3年前・・・・・・「今現在」の話であり、

あなたが投資をする、
「今現在」・・・・・・・「未来」の話ではありません。

 

過去の実績は、未来の成績を保証しない。

 

 

 

これは
投資商品と、
それを外環する投資の世界全般における 一大原則 です。

 

 

ストレートに申し上げると、

もしもあなたが投資商品の選択において、

失敗したくない = 損失は避けたい。と願っているのなら、それは残念ながら叶わぬ夢なのです。

 

預金など安全な資産を保有して得られる低いリターンは、元本割れがないという低いリスクと引き換えです。

 

 

 

 

 

逆に、
預金などのリターンを超過する「高いリターン」を得るためには、価格が大きく下がったり、損失が発生したりすることは、避けて通ることのできない現象です。

 

元本を割るマイナスリターンの可能性を内包するからこそ、(長い目で見て)高いプラスのリターンの芽も出てくるわけです・・。

 

 

口コミやレビューやランキングに基づいて、商品のみから投資を考え、

 

かつ、
投資という世界のドロドロした『不確実性の領域』を知らずに「投資」を始めてしまうと、ちょっと心臓に悪いかもしれません。

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

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