投資家の感情リスク

ジョン・C・ボーグル氏のこの言葉でビール3杯くらい飲めます

2024年10月16日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

突然ですが、
あなたは「ボーグルヘッズ」ってご存じでしょうか。

 

米国の大手運用会社バンガードグループの創業者ジョン・C・ボーグル氏に敬意を表し、

年に1度、全米各地から氏の信奉者が集まり、『ボーグルヘッド・カンファレンス』を開催しています。

※上記支持者を「ボーグルヘッズ」と呼ぶのです。

 

実は日本でもすでに
「ボーグルヘッズ」(Bogleheads®)日本チャプターが誕生しています。

もちろんわたしも
ジョン・C・ボーグル氏の信奉者のひとりです。

 

 

 

 

 

わたしが氏のエピソードの中で
興味を惹かれるもののひとつに、

ボーグル氏が生前、

 

個人資産のおよそ半分を『株式』で、
残りの半分を『債券』で保有されていた。

 

という事実があります。

 

 

ボーグル氏は
次のように語っています・・。

 

 

半分の時間は
なぜ株にこれほど多く投資しているのかと考えて過ごし、

 

もう半分の時間は
なぜ株にこれだけしか投資していないのかと考えて過ごす。

 

なんと含蓄に富んだ言葉でしょう。

 

かの偉人、
ジョン・C・ボーグル氏さえ
「資産配分」について真摯に悩んでおられたわけです。

いわんや、一介の運用者ときたら・・。

 

上記ことばは
私たち投資家にとって、

これで「よし!」と思える
リスク含有の大きさ、これを把握することがいかに難しいか、

 

また結果として、
債券と株式の『資産の配分』を定め、それを維持していくこと、

あるいは、
手元の安全資産とリスク資産の『配分』を定め、それを維持していくことが、いかに難しいかを物語っています。

 

 

 

 

 

「バランス」ということばが深淵なのは、

一人ひとりにとっての
リスク選好と、リスク選好しない部分の『バランス』が違っているためです。

 

たとえば、株式市場がだらだらと下がり続け、
明るい話題を探すのが困難なときなど、

 

『なぜ株式に、これほど多く投資しているのか?』

 

と、ホントに思ってしまうものです。

 

逆に、
マーケットが右肩上がりの快進撃を続け、すべてが順調に運んでいるときには、

 

『なぜ株式に、これだけしか投資していないのか?』

 

と自問自答してしまうもの。

 

 

嗚呼、客観的に
自分の「リスク許容度」を測ることの難しさよ。

 

 

多くの投資家は
マーケットを『主軸』に置いて、
「心のあり様」をいとも簡単に変化させてしまいます。

 

そのような安易さに
ジョン・C・ボーグル氏は警鐘を鳴らしていたのかもしれません。

 

 

 

 

 

私たち投資家は、
誰もが一介の『サーファー』です。

 

どんな「波」に乗るかは自分で決めます。

 

その際、

 

この『波』なら、乗り続けられそうかどうか?という現実感覚を持つことが重要になります。

 

 

 

 

「iFreeNEXT FANG+インデックス」という『超大波』に乗って、大丈夫な人もいれば、大丈夫じゃない人もいます。

 

また楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)のような『中波』が、ちょうどよいと感じる人もいれば、

こんな小さな波じゃ、つまらないよ。と言う人もいます。

 

ボーグル氏の冒頭のエピソードは、

 

自分にフィットする『波』に
粛々と乗り続けることの難しさ、またその重要性を説いているのです。

 

 

どの波が正しい。
という概念はありません。

あなたに合った『波』が存在するだけです。

 

たとえば、
自身の運用資産額がマイナス10%以上の損失に見舞われるのは、どう考えても許容できません。という人は、

(株式に手を出すべきではなく)債券のみの投資信託を選択すべきでしょう。

 

最後に
『ボーグルヘッド・カンファレンス』についは、
水瀬ケンイチさんの下記記事が詳しいです。

 

米国バンガード訪問レポート(その4) 全米からインデックス投資家が集まるイベントに参加して考えたこと】

 

カテゴリ:投資家の感情リスク

おすすめの記事