『リ・バランス』するときに分かる、NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い
2024年10月7日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
今日は「仮の話」です。
NISA口座に
すでに1800万円の『生涯投資枠』は入金済みとします。
あなたは最初から
「自分にフィットする資産配分」を意識していました。
NISA口座への入金に際して、
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 720万円 4割
という「骨太計画」を立てていたのです。
そしてその通り入金を終えました。
(素晴らしい!)
骨太の配分比率(ポートフォリオ)は
先進国株式:新興国株式 = 6:4 ですね。
月日は流れ、
市場環境もよく、
NISA内の運用資産は順調に成長しました。
今現在、
ふたつのファンドを合わせた評価額は2200万円に!
「ヤッター!」
が、保有する2つのファンドの比率は次のように・・。
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 660万円 3割
先進国株式:新興国株式 = 7:3
あれ?
当初の「骨太比率」、
先進国株式:新興国株式 = 6:4 からズレています。
定期的に
自分の骨太方針に、資産の有り様を『戻す』作業を「リ・バランス」といいます。
今のケースだと、
(成長投資枠)先進国株式ファンド 1540万円 7割
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 660万円 3割
を、
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 880万円 4割
に『戻す』必要があります。
ざっくりした計算ですが、
NISA「成長投資枠」の先進国株式ファンドを『220万円』売却し、新興国株式ファンドを『220万円』買い増しすれば、
もとの「資産配分」に戻ります。
ちょっとやってみましょう。
先進国株式を売るのは「すぐ」に出来ます。
NISA口座外にお金は払い出され、戻ってきます。
でも、です。
それは元本部分についてのみ、ですから、
仮に、220万円分売ったうち、
元本部分が180万円、
利益部分が「40万円」だとしたら、
『投資枠』として復活するのは
180万円のみ、です。
しかも、
なぜなら、
220万円分のファンドを売ったのが『成長投資枠』だからです。
NISA制度において
成長投資枠と、
つみたて投資枠は『別勘定』。
つみたて投資枠のファンドを売却した際は、
投資枠の復活は「つみたて投資枠」で実現します。
いっぽう、
成長投資枠のファンドを売却した際は、
投資枠の復活は「成長投資枠」で実現します。
今の「例題」だと、
(成長投資枠)先進国株式ファンド 1540万円 7割
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 660万円 3割
を、
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 880万円 4割
に戻したいわけですが、
先進国株式を220万円売っても、
投資枠として復活するのは180万円のみで、
その180万円も、
(NISAの)成長投資枠で、新たに新興国株式ファンドを「180万円分」買い付ける必要があります。
まあ、おおまかには「リ・バランス」出来なくはありません。
では、逆の場合はどうでしょうか?
「つみたて投資枠」の新興国株式ファンドを売って、先進国株式を買い増しするようなケースです。
この場合も同様に、
つみたて投資枠のファンドを売却した際は、
投資枠の復活は「つみたて投資枠」で実現するため、
新たに、
NISAの「つみたて投資枠」で先進国株式ファンドを買い増す必要があります。
※もちろん、上記先進国株式ファンドが
「つみたて投資枠」でも買える投資信託である必要があります。
こうしてみると、
基本、
NISA口座内での「リ・バランス」はやりづらいです。
それでももし、
NISA口座内で『リ・バランス』を目指すなら、
最初からNISA内での資金入金計画、
すなわち、
『骨太方針』の先進国株式:新興国株式 = 6:4 を、
(成長投資枠)先進国株式ファンド 1080万円 6割
(つみたて投資枠)新興国株式ファンド 720万円 4割
のような形ではなく、
新興国株式ファンド 480万円 4割
新興国株式ファンド 240万円 4割
というふうに実行したほうがよいでしょう。
なぜなら後者のほうが「リ・バランス」が幾分しやすくなるためです。
ただ、
このような資産管理にするためには、
つみたて投資枠でも、成長投資枠でも、同じように投資できる「インデックスファンド」を道具として採用する必要があります。
NISA口座はすべて、
インデックスファンドのみで全然OKなのです。
カテゴリ:NISA活用法