わたしって投資信託コレクター症?
2024年10月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
たとえば、
〇個別株4銘柄
〇投資信託あれこれ18本
〇株式ETF3本 を保有する人がいるとしましょう。
そんなあなたは
「投資信託コレクター症」かもしれません。
『投資信託コレクター』とは、
ふと気付けば
15~20本以上の投資信託を保有してしまっている人を指します。
もちろん、この現象には
外部環境的な理由も挙げられます。
日本では2018年に
「つみたてNISA」がスタートしました。
その前後を睨み
インデックスファンドの低コスト化が一挙に進んだため、
よりコストが低いファンドに「積み立て先」を乗り換えるという宿業を、何度も強いられたわけです。
結果、
ファンドの保有本数が15本、20本になってしまった人を、わたしはたくさん知っています。
本日の記事は、
そういう外部理由にはよらない、
ピュアに『投資信託コレクター』になられた方にスポットを当てたいです。
実際、
投信コレクターの人にヒアリングをしますと、皆さん「自信なさげ」に見えます。
ほんらい、
商品の選択者(消費者)が持っている、
「ワタシは○○だから、あなた(商品)を選んだのよ!」みたいな(良い意味での)「傲慢さ」がありません。
・なんか昨日のYouTube動画でいいって言ってたので、選んでみました。的な。
・楽天証券からのメールで、新発売されるって告知があったので、 選んでみました。的な。
・X(旧ツイッター)でインフルエンサーの人が推していたので、 選んでみました。的な。
誰かの「評価軸」に乗っかってみる。
という感じの決定なので、そもそも根拠に乏しいわけです。
つい先日買った『投資信託』についても、
「ホントに自分に合ってる?」という確証が薄いために、
(少し時間が経つと)
また別のファンドを購入してみたくなる・・。
ファンド本数はどんどん増え、ほんとうは安心を得たいと願っているのに、『安心』にはぜんぜん近づいていかない。
逆に不安が募ってしまう・・。
これが投資信託コレクターの人の典型的な『症状』です。
快方に向かうためには
いくつか『処方箋』が必要でしょう。
自分の納得で選ぶ
2.の意味はこうです。
投資信託という商品自体が
はじめから分散拡張機能を有するため、
それをたとえば「21本」持っても、
同じような分散志向を次々と『上塗り』しているだけで、あまり意味がありません。
家庭内の生活用品と同じように、
「これは役に立つかも!」
「これはそのうち使う可能性があるかも!」という感覚で投資信託を買い足すのではなく、
逆に、(その金融商品が)要らない理由、
買う必要がない理由を最初に突き詰めれば、
四捨五入ではなく、
『九捨一入』くらいのドライな感覚に近づいてくるのでは?
お部屋のお片付けと同じで、
物理的にモノ(金融商品)を減らすことで、モノへの『依存度』が減ります。
コレクター(足し算)から スリムの人(引き算)へ。
長く運用相談の仕事をしていますが、
ほんとうに、
投資信託を『1本』しか持っていないお客様を わたしは何十人も知っています(笑)
その方々は
ふつうに資産管理ができて(むしろすごくラクに資産管理ができて)、きちんと資産を増やしておられます。
ホントの話です。
カテゴリ:投資家の感情リスク