あなたはS&P500均等型ETF(RSP)をご存じですか?
2024年9月22日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
世の中にはいろいろな投資商品があります。
ちょっと頭の体操と思って
以下、文章を読んでみましょう。
小さな会社は小さく組み入れる。
これが
「時価総額加重平均方式」です。
一例ですが、
米国の代表的な株価指数S&P500は、
まさにそのような考えに基づいて設計された指数です。
大きな会社は大きく組み入れ、
小さな会社は小さく組み入れる。ので、
巨大テック企業、
アップルやマイクロソフトやグーグル(アルファベット)は、
たとえば時価総額がそれほど大きくない
文房具卸の会社の、
何十倍、何百倍も
指数内で組み入れられることになります。
では、です。
大きな会社も
小さな会社も
『均等に』組み入れると一体どうなるのでしょう。
「具体的には
S&P500指数でいうところの、
500社の『組み入れ比率』を
わざと同程度にするということですか?」
はい、その通りです。
均等型指数(equal weight index)と呼びます。
実際、
『S&P500均等指数』という指数があります。
単純計算すれば、
S&P500の構成企業500社の株式を
「0.2%」ずつ組み入れるイメージとなります。
(実際には数値の差はあります)
また指数そのものは
3月、6月、9月、12月と
年に4回『リ・バランス』を実施することで「均等」を維持しています。
ひと言でいえば、
『S&P500均等指数』(S&P 500 Equal Weight Index)は相当「アクティブな」株価指数といえるでしょう。
先ほどの例でいえば、
アップルやマイクロソフトやグーグルと、
時価総額がそれほど大きくはない
文房具卸の会社の「組入れ比率」が同程度になるわけですから。
『S&P500均等指数』は、
大きく買い上げるという行為を、日常的に行うわけです。
いわゆる『中小型株効果』が期待できます。
いっぽうノーマルな
「S&P500指数」では、
時価総額が巨額な企業ほど、
組み入れ比率が自然と大きくなります。
どちらの成績がよりベターなのでしょうか?
「S&P500均等指数」との連動を目指す
インベスコS&P 500 Equal Weight ETF (RSP)と、
「S&P500指数」(.SPX)の値動きを比べてみましょう。
画像元:CNBC
意外や意外、
S&P500均等ETFのほうが、
S&P500よりパフォーマンスが良いのです。
ここで
「真に」投資家に有効な市場平均とは何ぞや?と議論を始めると、確実に徹夜になってしまうので、
もうひとつ、
直近5年の
インベスコS&P 500 Equal Weight ETF (RSP)と、
「S&P500指数」(.SPX)の値動きを比べてみます。
画像元:CNBC
(また意外にも)こちらはノーマルな「S&P500」のほうが成績が良くなります。
しかも、
よーく見ると、
2023年半ばあたりから、
S&P500均等ETFのパフォーマンスを押しのけて
S&P500指数がぐーんと伸びています。
これって、中小型株の株価が落ち込み(あるいは伸びず)、かつ、時価総額が巨大なテック系企業の株価が殊更上昇したということではないでしょうか。
ここに、市場の偏り(集中)を垣間見るのはわたしだけでしょうか?
カテゴリ:インデックス投資全般