お金の摩訶不思議

(後)半径10センチ内にある「お金」のことを、私たちは分かっていない

2024年9月19日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

「今、この瞬間に何とかしたい!」
というのが、
生き物としての本能です。

 

しかし『投資』という行為は
それとは「真逆の行い」になります。

投資は・・時間差攻撃、なのです。

 

昨日
3年をかけて300万円を貯め、
2年間海外に語学留学したCさんをご紹介しました。

 

Cさんの行いは
5年という時間差を用いた『投資』といえます。

 

 

 

 

 

ところでBさんはどうでしたか?

 

手持ちの「1万円」で何をされましたか。

 

こちらが昨日の記事。
(前)半径50センチ内にある「お金」のことを、私たちは未だ理解し切れていない

 

 

Bさんは
ニワトリ簡易小屋を買い求めました。

 

もしかするとBさんは
鳥を飼うことそのものに興味があったのかもしれません。

 

しかし、
雌鶏を飼えば、
定期的に卵を産んでくれることを
Bさんは知識として知っていたはず。

 

ニワトリが産む卵はまず食料になります。
(自分が美味しくいただくだけでもOKです)

また、近隣の人に売ることもできます。

 

 

 

 

Bさんは1万円というお金で、
「今すぐ利得を!」とは
考えなかったわけです。

 

数年の「時間」経過とともに
1万円(元手)を回収できればよし。と割り切っていたのかもしれません。

 

これも立派な『投資』といえるでしょう。

 

 

続いてDさんの具体例です。

 

Dさんは相続で1億円の資産を引き継ぎました。

しかし34年後にDさんが亡くなった時、
その1億円は銀行預金に入ったままでした。

 

 

「えっ、なんで?」
「何かに使えば良かったのに・・・」

 

このセリフは、

『思いがけず1億円を手にした経験がない』
あなたやわたしだから言える台詞です。

 

 

 

 

Dさんにとって、
相続したお金とは一体何だったのでしょう。

 

最初、じわじわとした喜びがあって
そして大金の重みを感じ始めて

それは(このお金を)
「どう扱っていけばよいのだろう」という戸惑いに変わり、

 

もう悩みのタネを抱えるのは嫌だから、
見ないことにしよう・・

と思われたのかもしれません。

 

 

 

 

 

もしかすると、

 

・・これは自分のお金であって
自分のお金ではない。・・

 

そんな気持ちがDさんの中で
くすぶり続けていたのでは・・。

 

 

上述したDさんのご心情、

もう悩みのタネを抱えるのは嫌だから、
見ないことにしよう・・。は、

 

感情の行き先が数センチずれていれば、

 

もう悩みのタネを抱えるのは嫌だから、
(すべて)使ってしまおう・・。になっていたかもしれません。

 

 

お金を作ったのは人間で、
それはもう何千年も前の話なのに、

「賢いお金の扱い方」は(まだ)ぜんぜん整備されていません。

 

人はまだまだ、お金の用い方について悪戦苦闘中です。

 

Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの具体例を読み返せば、お金とは単なる可能性に過ぎないことが分かります。

 

 

上述のDさんも、

 

・・これは自分のお金であって
自分のお金ではない。・・

 

と、

お金に色(特性)を付けてしまっています。

お金そのものは無味乾燥であるにもかかわらず。

 

 

 

 

 

ヒトはまだ、
「お金」を
ただ「お金」として観察し切れていないのでしょうね。

 


Dさんの気持ちも、
分からないではないのです。

 

自分が扱える適切なお金の量(金額)というものが、一人ひとりで異なるかもしれないためです。

 

 

最後に、
Dさんと好対照なのが、
昨日ご紹介したAさんでしょう。

 

ずっとギャンブル好きで
生活の細々したお金は
賭け事に使ってしまっていたのに、

 

1000万円超のお金を偶然手にしたことで、

 

Aさん自身の、

―何がいちばん大事なことなのか?―という倫理が、一挙に覚醒され、意外なお金の用い方の発見につながりました。

 

昨日の記事。
(前)半径50センチ内にある「お金」のことを、私たちは未だ理解し切れていない

 

 

 

 

お金を作った人間が
お金の生かし方について、
まだまだ熟練に至っていない。

これはかなり滑稽なことです。

 

カテゴリ:お金の摩訶不思議

おすすめの記事