お金の摩訶不思議

(前)半径10センチ内にある「お金」のことを、私たちは分かっていない

2024年9月18日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

まずは
お金の「例題」を挙げさせてください。

 

ここにAさんBさんがいて、
二人はそれぞれ1万円を持っているとします。

 

Aさんは1万円を持って
宮島競艇場(ギャンブル)に行き、
2時間でゼロ円にしてしまいました。

 

 

いっぽうのBさんは1万円で
ニワトリと簡易小屋を買い求めました。
(これからニワトリを育てて、卵を得ていくつもりです。)

 

 

 

 

 

次にCさんの具体例です。

Cさんは3年かけて貯めた300万円でインドネシアに語学留学(2年間)し、インドネシア語を習得しました。

 

日本に帰国後、
旅行会社に転職して年収アップを図りました。

 

 

最後にDさんです。
Dさんは相続で1億円の資産を引き継ぎました。

しかし34年後にDさんが亡くなった時、
その1億円は銀行預金に入ったままでした。

 

 

 

 

 

今、4人のお金の用い方を具体的に記しました。

 

〇競艇に行く(1万円)
〇ニワトリを買う(1万円)
〇語学留学する(300万円)
〇銀行預金する(1億円)

 

まあ、人それぞれです。

 

 

私たちはふつう、
「自分のお金をどう用いるか?」について
制約を受けることがありません。

 

上記4人の行動は自由意思の結果です。

 

(※Dさんの、相続したお金を
預金に入れたままのケースも「そのままにしておく」という意思決定といえます)。

 

 

まずAさんなのですが、

「なんでギャンブルなんかに・・」と
あなたは思われるかもしれません。

しかし、Aさんは1万円という元手を
3万円にも4万円にも増やしたかったのです。

(その気持ち自体は分からないではありません。)

 

 

 

 

 

ただ、賭け事では
資金が増える確率は限られており、
即座の利益を求めるがゆえに
即座にゼロになる可能性を内包します。

 

Aさんはあっという間に元手をなくしてしまいました。

 

 

 

 

Bさんのケースは後編で詳述します。

 

 

続いてCさんです。

 

Cさんは海外留学をして
外国語を習得しました。

 

言語の習得には多大なエネルギーを要します。

また異国で暮らすとなると、
異なる文化への適応を求められます。

 

それらの壁を乗り越え、Cさんは初心を貫徹しました。

 

 

 

 

 

「3年」をかけ300万円を貯め、
そこから「2年間」外国語習得のために時間を割いたわけで、

計「5年」という長い月日を、Cさんは自身の成長のため(ただし「確約」はなし)に費やしたのです。

 

※前職をすでに退職していたCさんは
果たして首尾よく次の仕事を見つけられるかも、まったく分からない状態でした。

 

Cさんは、

自分というリソースと
手元のお金300万円を、
まだ見ぬ未来にベット(賭ける)しました。

 

これは『投資』です。

具体的なお金の用い方のひとつです。

 

 

Cさんの投資 =
『時間』(5年)×『お金』(300万円)×『自身のエネルギー』

 

 

ただ、表には現れない話もあります。

 

ここだけの話、

Cさんには
ショップチャンネルを観ると、
ついつい要らないモノまで買ってしまう『散財癖』がありました。

 

 

 

 

 

語学留学の実現のために、

実はこちらのほうこそ
(本当に歯を食いしばって)
悪習を断ち切る!と思い切られたのだそう。

 

 

瞬間の閃きで
お財布を開けてしまう自身を封印し、
将来の自分に
根気よくお財布を預けようという『マインドチェンジ』を成し遂げたCさん。

 

 

お金との付き合い方を変えるのは容易ではありません。

が、そもそもお金の用い方が「多種多様に存在すること」。これを知ることが肝要なのです。

 

 

ところで、

宮島競艇に行った
Aさんを覚えていますか?

 

 

Aさんにも後日談があります。

 

 

 

 

Aさんは
職場の先輩から
ギャンブルに誘われたのがきっかけで

その後ずるずると
賭け事が習慣になってしまいました。

 

生活はだらしなく、
正直、お金の管理も不得手でした。

 

 

そんなAさんでしたが、
工場勤務中に事故に遭ってしまいました。

 

幸い、
足の指の僅かな損傷で済んだのですが、

労災認定が下り、
賠償金として1000万円を超えるお金がAさんに支払われることに・・。

 

 

 

 

 

その後の展開を三文小説的に書くと、


Aさんはせっかくの大金をギャンブル、遊興費に使い果たし・・・

となるのでしょうが、

 

現実は違っていました。

 

 

Aさんはそのお金で、
もう何年も会っていない甥っ子のサッカー留学(スペイン)の援助をしようと決めたのです。

 

Aさんとお金のふしぎな出会い直しです。

 

 

お金そのものは色を持ちません。

 

お金に色(特性)を付けるのは、いつも人間のほうです。

 

 

そして、時にお金は、
本人(保持者)が思いもよらない、別の価値観(another value)を立ち上げる手助けをしたりもするのです。

続く・・)

 

カテゴリ:お金の摩訶不思議

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