リタイアメント・資産の取り崩し, 投資の発想法

リフォーム費用を賄うためにファンドを1000万円解約するのは理に適うことなの?

2024年9月14日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

職業柄、
実にいろいろなお人の「ファンドの中身」を拝見します。

10年超、投資を続けている人の中で
意外と多く保有されているのが

『eMAXIS 全世界株式インデックス』です。

 

これは
eMAXIS Slimシリーズの先代、eMAXISシリーズのファンドであり、

日本を除く、
全世界株式のインデックスファンドなのです。

 

運用管理費用が年0.66%なのが
今となっては若干微妙なのですが、
今も元気に運用されています。

 

 

 

 

 

どうして
日本を除く、
全世界株式のインデックスファンドの人気が底堅いのでしょうか?

 

 

まず、日本株式の部分は
「個別株」を保有する人が一定割合おられるためです。

 

また、
日本株の「アクティブファンド」を志向する人も多くおられます。

 

 

ざっくり、

 

・自分に身近な投資対象(国内)
アクティブ、詳細な投資
・自分から遠い投資対象(海外)
インデックス

 

という『組み合わせ』によって
自身の投資を定義付けようという意思の表れですね。

 

 

 

 

 

当クリニックのお客様で、
長く投資を続けている橋爪さん(仮名)は、

 

まさにこの、
『eMAXIS 全世界株式インデックス』を長年保有され(80%)、一方、日本株式は『コモンズ30』(20%)に長年投資を続けています。

 


『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)』が登場して以降は、8割部分の積立先はSlim 全世界株式(除く日本)に1本化されています。

 

 

ところで、
インデックス投資の現場では
運用資産が1000万円に届くまでが(まさに)「千里の道のり!」と言われます。

 

苦難に満ち、
下げ相場はきつく、
「道のり」そのものがただただ長く、

「永遠にたどり着かないのでは?」という
疑心暗鬼に包まれます。

 

 

 

 

 

ところが、
いったん運用資産1000万円に届くと、

ふしぎなことに、

 

ゼロから・・・1000万円までに比べると、

1000万円から 2000万円、3000万円への到達は、

 

拍子抜けするくらい
あっけなく、
実現してしまうものだ・・。

 

という感慨を、

多くの相談者さまが持たれるのです。

 

 

 

 

 

橋爪さん(仮名)も
順調に資産を増やしてこられましたが、

 

そろそろ60歳が近づいてきて、
ご自宅(一戸建て)の『本格リフォーム』が必要になりました。

 

 

外壁、屋根、
水回り(特にキッチンの全面改装)
一部バリアフリー化など、

総額で1000万円はかかるとのことでした。

 

この『お金』をどう準備するのか?

あなたなら、どうされますか?

 

 

「預金から出せば?」

はい、
問題なく出せます。

 

しかし、
預金からリフォーム費用を出すとその分、

 

―60歳を前にして、―
リスク資産(投資信託)の比率が
高くなってしまいます。

 

 

 

 

 

ここは発想の転換をして、

別に、
『eMAXIS 全世界株式インデックス』から80%、
『コモンズ30』から20%、

それぞれファンドを売却して、
リフォーム費用を賄ってもよいのではないでしょうか。

 

 

「投資信託を売る?」

 

はい、そうです。

 

 

(ご所有のファンドは)いつか本格的に売り始めるわけですから、練習のために、今一部売っておくというのもアリです。

 

「えっ!?」

と思われます?

 

 

投資信託を用いて、
資産形成を行うのは、

 

お金を増やして、
その増やしたお金で
あなたが『実利』を得るためです。

 

 

具体的に何かモノを購入したり、
具体的に何かコトを経験したりして、

 

「ああ、
投資信託で運用してて良かったね。」

 

を実感するために、
雨の日も風の日も、これまで投資を続けてきたわけです。

 

 

 

 

 

別に1000万円分、
ファンドを売ったからといって、
投資が終わるわけではありませんし、

 

ましてリタイアして、
ファンドの定期売却を始めたからといって、投資が終わるわけではありません。

 

逆に、
(ファンドを)売ることに慣れておかないと、

老後の本格的な『取り崩し』が出来なくなるかもしれませんよ。と、

橋爪さん(仮名)にお話ししたのはほかならぬ私です。

 

 

翌年になって
橋爪さん(仮名)からメールをいただきました。

 

「なんだか壁を乗り越えた感じです」

 

 

なるほど・・。

 

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