9・11同時多発テロから23年。そのときニューヨーク証券取引所は4日間『閉鎖』されました
2024年9月11日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
2001年9月11日(火)の米同時多発テロから23年が経ちました。
旅客機2機が突入した
世界貿易センター(WTC)からわずか数ブロック先に
「ニューヨーク証券取引所」はありました。
騒乱と混沌の中、
9月11日(火)当日、株式市場は閉鎖されます。
翌日の水曜日から金曜日までの『4日間』
マーケットは閉じたままでした。
(こんなに長く株式市場が閉じたのは1929年の「大恐慌」以来のこと。)
翌週の9月17日(月)、
株式市場はようやく再開されます。
以下、当日のNY証券取引所のオープニング・ベルの様子です。
動画の中の
次のことばが印象的です。
This city is the capital of capital.
“ニューヨークは資本主義の本丸なんだ”
わたしはこのとき、
たまたまCNBCのライブ中継を見ていました。
取引開始前に犠牲者を悼んで、
2分間の「黙祷」が捧げられました。
そして、
マーケットの開始ベルを鳴らす前に
God Bless Americaが斉唱されたのです。
『God Bless America』は、
第二次世界大戦が始まる直前の1938年に、
Kate Smithという歌手によって歌われ、
アメリカ国民の間では
「国歌」に匹敵する意味を持つ歌です。
その歌が、
証券取引所で流れている・・。
わたしは
公正な市場(マーケット)を守るんだ。
というアメリカ人の矜持を感じました。
ここ(証券取引所)は
アメリカ人にとって公共の財産なのです。
ただし、です。
冷めた目で市況を予想すれば、
2001年の9月17日(月)は
株価が「下がる」ことが当然視されていました。
実際、株式市場は「急落」します。
ダウ平均は
684ドル81セントの下げ幅を記録。
たしかこの時『値幅制限』が実施されました。
9月17日以降も株価は下がり続け、
一時米国ダウ平均は
「7000ドル台」にまで落ち込みました。
しかし、
同年10月4日には「9123ドル」まで回復します。
そして、
2024年の9月10日の終値は?
「40736ドルです」
米国人にとって
株式市場は活力ある経済の象徴なのでしょう。
市場関係者の、
有価証券の『公正な取引の場』を提供するんだ。
そして「自由な取引」を守るんだ。
という気概を、
私たち個人投資家は忘れるべきではありません。
証券市場(公共財)がつつがなく機能するおかげで、
毎日つつがなく決まるためです。
23年前と比べて、
欧米だけでなく、
この日本でも
テロの脅威は増しています。
今現在、
核保有国(ロシア)が戦争を行っているわけです。
ドローンを用いた爆撃など、
戦争の形態も変わりつつあります。
また、
物理的な破壊行為よりも
格段に恐ろしいのが『大規模なサイバーテロ』でしょう。
(これが起これば、
金融システムだけでなく、
すべての生活基盤インフラが危うくなります)
悪い意味でいうところの『偶発性のタネ』は、あちこちに点在しているのです。
あなたはもしも、
向こう1年間、
仮に『株式市場』が閉鎖されてしまったとしても、後悔のない資産配分(ポートフォリオ)になっていますか?
今一度、投資の骨太方針をチェックしておきましょう。
カテゴリ:世界投資的紀行