ふたつのドア、NISAのつみたて投資枠と成長投資枠って『別の入口』?
2024年9月3日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
こんなふうに、
ふたつのドア(入り口)があれば、
たいていの人は、
家の内部は『別々である』と思います。
NISAにおける
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」もそうです。
金融庁のサイトでも
わざわざこんなふうに、
『分けて』図表で示しているので、
成長投資枠っていう「二つの枠」があって、
成長投資枠 → 年に240万円という、
と言われると、
単純に、
〇 成長投資枠のほうが大きいんだ。
〇 ふたつの枠で、それぞれ違った商品を買うんだ。
と解釈してしまいがちです。
でも、
これは、
考え方が不足しています。
なるほど、
『ふたつのドア』があるというのは事実でしょう。
つみNI↑ 成長↑
そして『入り口』の大きさだけを見ると、
成長投資枠のほうが
つみたて投資枠よりも大きく見えます。
でも、(ココも)考え方が不足しています。
もちろん、
上記の通りに、
〇 成長投資枠が
つみたて投資枠よりも大きいと『解釈』することも可能です。
たとえば、
成長投資枠の投資枠の上限は『1200万円』ですが、
「1000万円」を成長投資枠に充て、
残りの「800万円」つみたて投資枠で投資する、とか。
あるいは、
「1200万円」を成長投資枠に充てて、
残り「600万円分」のみ、つみたて投資枠で投資する、とか。
そして、
成長投資枠と
つみたて投資枠で、
もちろん、そのような戦略でNISA制度を利用することも可能です。
ただし、
それが『全て』ではありません。
NISAというしくみには
ちょっと『謎かけ』みたいなところがあって、
その構造が二重、三重になっているのです。
冒頭の『ふたつのドア』に戻ります。
つみNI↑ 成長↑
パッと見、成長投資枠のほうが大きそうですよね?
でも、『左側』のドアを開けて、
内部を見ると、
『つみたて投資枠』の枠のほうが大きいんだ。と気付きます。
実際、
NISA口座では
最大「1800万円」です。
最大で「1200万円」しかありません。
ドアの大きさだけで
判断してはダメなのです。
たしかに、
1年あたりの投資限度額は
成長投資枠のほうが大きいのですが、
「生涯投資枠」では、
成長投資枠より
つみたて投資枠のほうが『投資枠』は大きいのです。
そして、
さらに驚くのは、
『ふたつのドア』があるからといって、
それぞれで
別の投資商品を買わないといけない、
わけではない点です。
つみNI↑ 成長↑
実は「右側」のドアを開くと、
その内部が二重になっていて、
ということは?
『成長投資枠でしか買えない投資商品が陳列されている部屋』に行くのか、
『つみたて投資枠で買えるものも、ふつうに陳列されている部屋』に行くのかで、
あなたの「投資の方向性」が大きく違ってくるということ。
もしも、
『つみたて投資枠で買えるものも、ふつうに陳列されている部屋』に行って、
仮に「成長投資枠」でも、
『つみたて投資枠で買えるインデックスファンド』を買ってしまえば、
そう、
つみたて投資枠でも、
成長投資枠でも、
『同じファンドを買う』という、シンプルな帰結となるのです。
特に、あなたがNISA口座を
最速で埋めたいと願うなら、
―年間360万円の入金を5年にわたって続けるなら、―
上記はシンプルで長期間にわたって管理がしやすい、お勧めの方法となります。
付記)もちろん、つみたて投資枠のみを用いて、月10万円の積立を続け、15年をかけて1800万円の生涯投資枠を埋めることも可能です。
カテゴリ:NISA活用法