インデックス投資全般

レバナスの『ココが』大きな勘違い(大和アセットマネジメントのサイトを覗いてみると・・)

2024年8月29日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

『レバナス』(iFreeレバレッジ NASDAQ100)というファンドは、今でも根強い人気があります。

 

当該ファンドは、
NASDAQ100という株価指数の
1日あたりの値動きの2倍の動きを目指す、

いわゆる
レバレッジ型の投資信託です。

(ファンドの中身は
NASDAQ100指数の先物です)

 

 

7月31日現在で
2341億円の純資産額を誇りますが、

わたしはこの純資産額が
そろそろ天井ではないかと考えています。

 

 

 

 

 

理由のひとつとして挙げられるのは、

ファンド保有者の多くが
『短期売買志向』であるためです。

 

 

つまり、
新規の資金は入ってくるものの、
ある程度の利益で利確する、

そのような行動パターンが顕著であるため、
なかなか純資産額が右肩上がりにならないのです。

(デコボコを繰り返すイメージ。)

 

 

おそらく、ですが、
『レバナス』保有者の多くは、

 

「分かりやすい、ドラマティックな投資」を訴求しているのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

S&P500や、NASDAQ100との連動を目指すファンドでは、リターンが物足りないんです。

もっと効果的に、
よりダイナミックに資産を増やしたいのです・・。

 

そういう気持ちは理解できなくはありません。

 

 

でも、

よりダイナミックに資産を増やしたいという、
『レバナス』に対してあなたが期待するモノと、

 

実際の『レバナス』のパフォーマンスの間には
「落差」があるとわたしは思います。

 

(念のため、)これはわたしの私見ではありません。

 

 

そもそも、
『レバナス』の運用会社である
大和アセットマネジメントが自社サイト内で、

 

あなたがこの商品に対して思い描いている『期待』と、この商品の実際の『効用』の間には、れっきとした違いがありますよ。

 

注意喚起してくれているのです。

 

 

まずは以下です。

 

2日以上の運用期間で見た場合、
iFreeレバレッジ NASDAQ100の値動きは、
必ずしもNASDAQ100の2倍の値動きとはならない

 

これは、
ご存じですよね?

 

 

 

 

 

仮にあなたが『レバナス』を6ヵ月間持っていたら、

イメージとしては
NASDAQ100(指数)の値動きに比べたら、
2倍近くのリターンになっていて欲しいと願うはず。

 

 

ところが
『レバナス』の7月31日時点の
月次レポート、

「期間別騰落率の表」を見ると・・

 

 

 

画像元:大和アセットマネジメント

 

なんと、
直近6ヵ月間では

参考指数(NASDAQ100)より、
『レバナス』のリターンのほうが低くなっています。

 

 

 

(2018年からの設定来でも、参考指数の2倍のリターンには全然なっていません)

 

 

これは(実は)約束違反でもなんでもなく、

 

レバレッジ型商品でしばしば起こる、逓減、減価効果と呼ばれるものです。

 

 

 

以下、大和アセットマネジメントのサイトを覗いてみましょう。

 

 

 

画像元:大和アセットマネジメント

 

上記、たった4営業日の値動きですが、
たしかに「2倍」の値動きにはなっていません。

 

 

 

 

画像元:大和アセットマネジメント

 

 

こちらも、
指数(NASDAQ100)そのものは100に戻っていますが、
レバナスは96にしか戻っていません。

 

 

さらに・・、

 

 

 

 

画像元:大和アセットマネジメント

 

として、

レバレッジ型商品の逓減、減価効果を説明してくれています。

 

 

考えてみますと、

短中期でも、
ファンド価格が指数そのものリターンより低くなることがあるのに、

 

 

仮に、レバレッジを掛けた投資商品を無理やり「つみたて」するとなると、

 

利用すべき道具と
あなたの投資の志向性(長期・つみたて)が、完全にズレてしまいます。

 

 

 

 

更に言えば、

短中期で、
ダイナミックに資産を増やしたいあなたが、

年0.99%という、そこそこ高めの運用管理費用を支払う「効用」が、果たしてあるのでしょうか?

 

 

 

 

『レバナス』が組入れているのは、
現物の株式ではなく、
「先物」と呼ばれる金融商品です。

この先物には限月があり、
ファンドは期限が間近になった先物から、より期限が遠い先物に、買い替えを行っています。

 

それらのコストも(結局は)ファンド保有者が支払っているのです。

 

ちなみに、
株価指数との連動を目指すファンドを持ち続けるだけでも、立派にハイリスクな投資となります。

 

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