『衝撃のグラフ』人口動態から見る中国経済のゆくえ
2024年8月25日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
『オルカン』の月次レポート、1ページ目に
「組入上位10カ国・地域」の欄があるのですが、
久しく
「中国」(ケイマン諸島)を見かけていません。
いつの間にか
全世界株式の指数内においても、
中国株式の『比率』が下がっているのが分かります。
中国という国は、
あなたがいつ頃生まれたか、
どんな世代かによって、
随分とその「印象」が違ってくると思われます。
・自転車の洪水が続く
・共産国家である
・改革開放という政策
・驚異的な高度経済成長
・権威主義的覇権国家
・AIテクノロジーの最先端
中国に限らず、
一国の経済規模を司るのは、
また『技術革新』が
人口一人あたりの「生産性」を高めるカギを握るため、
持続的な経済成長のためには、
〇 その国が進取の気性に富み、新たな『技術』を推進すること。
この二つが重要になります。
中国経済の
大きなハードルはずばり『人口』でしょう。
この30年間、
中国の市場主義経済化によって、
世界の国々が(そして人々が)
多大な恩恵を受けたことは紛れもない事実ですが、
これからの30年は
まったく違う景色が待ち構えているかもしれません。
もしお時間が許すなら、
高井宏章さんと平山賢一さんが出演する
YouTube動画を一度ご視聴ください。
(俗な言い方で恐縮ですが「超有料級」のコンテンツ!)
人口から考える投資①
米国の強さの源泉 老いる中国の衝撃 先頭走者日本の苦悩 高井宏章氏とチーフストラテジスト平山賢一のスペシャル
特に、以下グラフは
わたしにとっては衝撃でした。
画像元:人口から考える投資①
米国の強さの源泉 老いる中国の衝撃 先頭走者日本の苦悩 高井宏章氏とチーフストラテジスト平山賢一のスペシャル(東京海上アセットマネジメント)
上図は、
生産年齢人口(15~64歳)から、老齢人口を引いた人数の推移グラフです。
(赤の折れ線グラフが『中国』です)
数字(人数)が大きいほうが、
より生産年齢人口の『比率』が高いことになります。
実は中国では、
当初予想されていたより急速に、
生産年齢人口の『比率』が
低下していくことが明らかになっています。
画像元:人口から考える投資①
米国の強さの源泉 老いる中国の衝撃 先頭走者日本の苦悩 高井宏章氏とチーフストラテジスト平山賢一のスペシャル(東京海上アセットマネジメント)
動画内でも指摘されていますが、
人口動態的に見た、
「急速に老いる中国」と、
「生産年齢人口が底堅い米国」が鮮やかにコントラストを成しているのです。
もちろん、
中国が侮れないのは、
技術革新において
国家主導で特定分野に資本とエネルギーを偏重して注げる点でしょう。
事実、
クルマ産業ではすでにEV車がシェアの半分を占め、
それを基幹輸出商品にしようという意図が見えます。
また、
一党独裁の権威主義的政府であるため、
AI社会にとっての原料である『各種データ』を、どの国よりも安価に(かつ)包括的に収集管理することが出来ます。
ただ、
・総人口の減少が進み、
・かつ老齢人口が急速に増加し、
・その対として生産年齢人口が減少していく歴然たる事実は、
国の「富」を恒常的に増やしていくには、あまりにも大きな障壁といえるのではないでしょうか。
カテゴリ:経済よもやま話