投資をやらないほうがよい人とは?
2024年8月20日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
幾ばくかのお金を用いて
『消費活動』を行う場合、
支払ったお金に見合う『効用』が欲しいものです。
夏の暑い日に
ハーゲンダッツ(バニラ)を買って食べた。
休みの日に電車に乗って
清里と小淵沢に遊びに行った。
いずれの場合も
あなたは無意識に、
支払った金額に対して、
どのくらい満足したのか。
自ら「消費者チェック」を行っているはずなのです。
支払った金額 < 満足度 であれば、あなたはまた同じ行動をするかもしれません。
投資って『消費活動』なのでしょうか?
ん??
ここで
もしYESと答えてしまうと、どうでしょう。
上述の、
支払ったお金に対して直ちに『効用』を求める。というマインドに、準拠することになります。
すなわち、
100万円で8資産均等型ファンドを買った。
その『効用』とは?
最近、投資ビギナーの皆さんの中で、
上記のように
投資を『消費活動』的に捉える人が増えていると感じます。
(もしかすると、)ちょっと危険かもしれません。
生産活動!と言ってしまうと、
何やら仕事量が多くて、
忙しく立ち働く、みたいなイメージを抱いてしまいますが、
全然そんな感じの「生産」ではありません。
でも、『消費活動』ではないのです。
「生産活動」と『消費活動』の大きな違いは、
成果を求めるスピードと、
成果の一貫性にあります。
「生産」とは何かを作り出す行為ですから、
それがどんなものであれ、
それなりに時間がかかります。
「消費」のようにすぐに効用は得られないのです。
投資における『利益』も、
少しずつ作り出される → 醸成されるものなのです。
よって『時間』がかかります。
次に成果の一貫性についてです。
ハーゲンダッツ(バニラ)の場合、
いつ食しても、
一定の「美味しい感」は間違いなく得られることでしょう。
『効用』が安定しているのです。
投資は、そうではありません。
整理してみましょう。
・投資は「生産活動」
・成果が出るまで時間がかかる
・かつ、成果のバラつき具合が大きい
誤解がないように申し添えると、
投資という「生産活動」では、
仕事量はほとんど発生しません。
別にタイヘンではないのです。
どちらかというと、
『座禅』を組むのに近いイメージでしょう。
・じっとして動かない
・でも同じ姿勢を堅持する
・慣れるまでが大変
・(そして)退屈!
・あなたが同じ姿勢をキープしても、
成果は勝手に変動し、そのバラつき具合も大きい
・そして成果を手にするまでに時間がかかる
たとえば、です。
ハーゲンダッツを買って、
10回に3回くらい、
バニラがこぼれ出てしまい、
あなたのお洋服を汚してしまいます、なんて消費は誰だってイヤです。
あなたが仮に投資を
「生産活動」と捉えられれば、
10年ファンドを持ち続けても、そのうち3年は『マイナスの年』になったりします。という、
ある種の辛さも、もしかすると受け入れられるようになるのでは?
少し厳しい言い方かもしれませんが、
投資を『消費活動』的に捉える限り、
・初心者でも利益が出せる方法は?みたいなものに執着したり、
・今はどんな商品を選べばいい?と時流に乗った安易な正解を求めたり、
・万一『損』が出た場合の対処法ばかりを気にしてしまうことでしょう。
(= 一時的にしろ、マイナスの効用が発生してしまうのが許せない)
(投資において)うまく行かない時期が存在し、それが不意に訪れることを受容できない人は、投資はしないほうがよいと思います。
そういう人は精神衛生上、預金と個人向け国債変動10年のみを持っているほうがよいと思います。