インデックス投資全般

(上)ETF花束大作戦!(設定と交換という一大発明について)

2024年8月15日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

本日はマニアックな話になります。

ETFと
インデックスファンドの比較です。

 

S&P500のインデックスファンドも、
S&P500のETFも、
ともにインデックス型の投資商品です。

 

 

両者は・・・、

〇 S&P500指数との連動を目指すという『性能』がまったく同じ。
〇 商品の『中身』もまったく同じです。

 

 

 

 

 

S&P500のインデックスファンドも、
S&P500のETFも、

その内部に
S&P500指数の構成銘柄である500社の株式を、

「大きな株式は大きく、
小さな株式は小さく保有します。」

 

 

が、しかし、

ETF というツールでは、

 

あなたがETFを購入する、解約するというプロセスの中身が、インデックスファンドを購入する、解約する際とはまるで異なるのです。

 

 

・S&P500 ETFを買う!
・S&P500 ETFを売る!

 

「一体どこがどんなふうに違うのか?」

 

 

キーワードは、
荷札。

そして
花束。です。

 

 

 

 

 

ところで、
ETFは『上場型インデックスファンド』と呼ばれます。

 

S&P500を例に挙げれば、

「S&P500 ETF」は、

S&P500の構成銘柄である500社の株式
→ つまりは500種類の花 を、

 

 

 

花が↑500種あると想像願います。

 

こんなふうに、
茶色の大きな紙に包んで「ラッピング」し、

 

それを『ひとつの証券』として
株式市場に上場させているわけです。

 

ココ、伝わっていますか?

 

 

ETFは
上場している『ひとつの証券』ですから、

 

「S&P500 ETF」という銘柄として、日中、大量の売り買い(取引)がなされます。

 

S&P500 ETFを買う!
S&P500 ETFを売る!

 

 

ここから、S&P500 ETFを運用する『運用会社』さんを、花屋さんとしてイメージしてみましょう。

 

運用会社 = 花屋さん

 

 

S&P500 のETFを運用するわけですから、運用会社は当然、大量の500種類の花 を『倉庫』にストックしています。

 こんな感じ。

 

 

 

 

 

そこにお客さんが現れたようです。

 

〇 あのー、
S&P500 ETF 1000口「買います!」

 

 

このとき、運用会社が
500種類の花が大量に保管されている『倉庫』から、

 

 

 

 

 

S&P500 ETF(1口)の『ブーケ』を、

 

 

花が↑500種あると想像願います。

 

 

いちいち「1000個」も作って、
いちいち株式市場に持っていくのはタイヘンです。

 

 

そこで、
『簡易化』を図ることにしました。

 

 

大量の現物の花束が
『倉庫』にあることはしっかり確認してもらって、

 

 

 

 

S&P500 ETF(1口)の花束の、

この、

 

 

 

 

茶色の包み紙の一部を↑ちぎって、

 

『紙片』に
S&P500 ETF『受益証券』と書いたのです。

 

まるで「荷札」のように。

 

 

ETFの売買に関しては基本、この「荷札」=『受益証券』を売り買いすることにしたのです。

 

 

このアイデアは、
1980年代末に、

当時のアメリカン証券取引所の
ネイサン・モストさんと
スティーブン・ブルームさんによってもたらされました。

 

 

『受益証券』を売買するこのやり方は、
ETFを買う人にも、売る人にもラクです。

 

言い方を換えてみましょう。

 

 

 

 

 

『受益証券』の取引に終始すれば、

たとえS&P500 ETFという商品の売買が頻繁になっても、

 

運用会社が管理する、

大量の500種類の花をストックする『倉庫』では、「現金」が入ってきたりはしません。

 

 

 

 

そして、
指数の銘柄「入れ替え」を除いては、

 

『倉庫』内で、個々の銘柄(花)を買い増ししたり、ETFの解約に備えて銘柄(花)を売却し「現金」を用意したりする必要もありません。

 

 

ここの部分の↑仕事量がないだけでも、ETFは(インデックスファンドに比べて)随分ラクに資産管理ができるわけです。

 

が、これで
「めでたし、めでたし」と終わるわけではありません。

続く・・)

 

カテゴリ:インデックス投資全般

おすすめの記事