投資信託の成績とつみたて投資の成績は『別物』です
2024年8月10日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
つみたて投資の『ふるさと』って
一体どこにあるのでしょうか?
わたしが知る限り、
それは
米国の401(k)プラン「確定拠出年金」の中にあります。
従業員が自ら積み立てる金融商品を選んで、
あとは『定時・定額』で投資を続けていくスタイル。
この型は1978年にスタートしました。
日本でいうと、
『積み立てる』になるのですが、
英語の場合、
積立というニュアンスの言葉はなく、
Dollar-Cost Averaging といいます。
実は
このことばの本質的な意味は、
規則的に・同額で(投資)であり、
Dollar-Cost Averaging の訳としては『定時・定額法』のほうが適切です。
いわゆるドルコスト平均法という訳語?は、規則的に・同額で・投資するという語意から外れており、わたしは使用していません。
『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』などの著書で有名な星野 泰平さんは、
欧米の確定拠出年金制度を含めた、広範な『定時・定額投資』= つみたて投資をはじめて体系化した人です。
星野さんの本にも書かれていますが、
個人投資家が
「つみたて投資」について誤解している点がひとつあります。
自分が積み立てている「投資信託の成績」に固執してしまう点です。
あなたがつみたて投資しているファンド、
たとえば
『オルカン』の成績が良ければ、
あなたは幸せ。
『オルカン』の成績が悪くなると、
あなたは不幸せ。
みたいな構図でしょうか。
(自分が積み立てている)投資信託の成績が大事なのは当たり前じゃない!
とご立腹のあなた。
でも、です。
実は、
あなたのつみたて投資の成績は『別物』なのです。
突然ですが、もしも
『価格』が以下のように推移する投資信託があったら、あなたはどう思われますか?
画像元:『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』星野泰平著
正直、落胆です。
なぜなら、
投資信託の成績は
20年経っても元のまま、
つまりプラスマイナスゼロ%であるためです。
とにもかくにも、
あなたは毎月1万円、
20年に渡って
『上記ファンド』につみたて投資をしたとしましょう。
(投資元本は240万円です)
20年後、
あなたの投資の成績は「プラス」になります。
240万円が306.5万円に増えました。
下図のアップダウンのある線が、つみたて投資の成績になります。
(「直線」はあなたの投資元本です)
画像元:『終わりで大きく儲かる「つみたて投資」』星野泰平著
〇 投資信託の成績・・元のまま
〇 つみたて投資の成績・・240万円 → 306.5万円
星野さんの著書にある通り、
ファンドの成績と、
あなたのつみたて投資の成績はまったく『別物』なのです。
ですので、
投資信託の成績が悪くなったからといって
つみたて投資を止めてしまうのは
とても・とても「もったいない」ことなのです。
カテゴリ:つみたて投資