投資の発想法

宗教に資産運用は必要?

2024年7月28日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

もう4年以上前ですが、
ウォール・ストリート・ジャーナルに
次のような記事が掲載されていました。

 

モルモン教会の極秘ファンド、運用資金11兆円
収入の1割寄付、秘密のベールに覆われた巨額資金の行方

 

 

少し物々しいタイトルですが、

事実、宗教団体には
信者からのたくさんの寄付金(お布施?)が集まるため、

「どうなんだろう?資産運用ってどんなふうにしているのかな?」という興味が募って当然でしょう。

 

 

 

 

 

あなたは(そもそも)
どちらが『正論』だと思いますか?

 

A 宗教団体は資産運用なんてするべきではない。
B 布教活動を続けるには
経済的裏付けが必須であり、
そのためにも資産運用は必要だ。

 

わたしの意見はもちろんBです。

 

 

そもそもお金には「色」がありません。

 

 

それが
イスラム教の団体であろうと、
ノーベル財団であろうと、

プリンストン大学でも
全国個人タクシー協会でも
各種NPO法人でも、

 

カリフォルニア州職員退職年金基金であっても、順天堂大学でも、国境なき医師団(NGO)でも、秀和目黒駅前レジデンスの管理組合でも、

そして、
あなた個人の資産であっても、

 

 

ありとあらゆる

〇『ある程度、お金が集積しているところ』

そしてその組織、個人が
〇『長く同じ体制を堅持していくところ』には、

それぞれのリスク耐性に応じた
適切な資産運用が必要と考えます。

 

 

 

 

 

「その団体がNPOだから
収益性を伴う行為をしてはダメ!」

というのはちょっとヘンだとわたしは思います。

 

 

逆に、非営利活動を行う法人だからこそ、
その活動を長く続けるために、
適切な収益性を訴求する資産運用が必要になるわけです。
ココ、伝わっていますか?

 

 

お金そのものは無味乾燥です。

 

 

そのお金を、
誰が(どの団体が)保持するかで、
お金のあり様に『色』を付けてしまうのは私たちの悪いクセでしょう。

 

 

ゼロの地点に戻ってみましょう。

 

複数人が寄って
そこに何かしらの『活動』が生まれ、
その『活動』を続けていくためにはお金が必要!となった場合に、

 

それが営利法人であろうと、
慈善団体であろうと、
お金を維持管理していくという『本質』は変わらないわけです。

 

 

 

 

 

宗教団体でも
定期的な収入が発生しており、
そのお金を運用管理していくのは当然でしょう。

 

(それとも、
宗教にまつわるお金はすべて
銀行の預金に預けておくべきだと思いますか?)

 

 

わたしは宗教法人こそ
別途資産管理会社を設立し、

専任の運用に携わる者を雇って
組織的かつプロフェッショナルに
お金の運用管理をするべきだと思います。

 

自分たちの教えをより広く・継続して伝えていくために・・。

 

 

 

 

ただし、

団体としての理念を保ちながら、
方法論として裏付けのある
合理的な資産運用に取り組むのではなく、

 

お金が手元にあり過ぎて
その扱いに困った末に、まるで甘い話に吸い寄せられるように、稚拙な運用を行ってしまうのは勘弁願いたいものです。

 

ブルームバーグ(2013年の記事)
高野山真言宗が運用損21億円-日経リンク債や外貨仕組み債に投資

 

誰がお金を保持しても、それを適切に管理するリテラシーが必要です。

 

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