つみたて投資, リタイアメント・資産の取り崩し

インは『定額』アウトは『定率』。何の話? 資産運用「前編」「後編」のお話です

2024年7月25日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

「ワシントンポスト紙」にこんな記事が載っていました。

 

 

 

株式市場の上昇により米国の401(k)プラン、
つまりは「確定拠出年金」で
ミリオネアが続出しているそうです。

(ミリオネアとは、
100万ドル以上の資産を有する人のこと)

 

 

 

 

 

すごいですね、
確定拠出年金のみで、です。

 

たしかに確定拠出年金は優れた制度ですが、
でも、実際にやっていることって?

 

投資信託を
毎月『定額』で

積み立てている、だけ。

 

日本のiDeCoも同じ。

 

例えばNISA口座の
「つみたて投資枠」でも「成長投資枠」でも、

何十万という人が
毎月『定額』で積み立てをしています。

 

ポイントは、
(規則的に)『定額』で積み立てているという点です。

 

 

 

 

 

・・ここからアタマの体操です。・・

例えば、
毎月『5万円』の定額でファンドを積立てすれば、

ファンド価格が上昇した月は

同じ5万円の積立でも、
買える「口数」は減ります。

 

 

逆に
同じ5万円の積立でも、

ファンド価格が下落した月は
買える「口数」が増えます

 

つまり?

 

つまり、

 

ファンドが上がった時は少なく買い、
ファンドが下がった時は多く買うという仕組みが、
『定額』積立には内包されているのです。

 

ココ、伝わっていますか?

 

 

 

 

 

とても合理的で無駄がありません。

 

あなたがどんな状況にあろうと、
掛金が多かろうと少なかろうと、

規則的に『定額』で積立を続けることこそ、資産形成の「王道」でしょう。

以上が「上り路」でのお話です。

 

 

ところで、
リタイアされ、資産を取り崩す際に、

 

ファンドを規則的に『定額』で解約し続けるとどうなるでしょう。

 

実は「上り路」とは逆の効果を現出してしまいます。

 

 

(今度は「下り」ですよ・・)

 

今、NISA口座でつみ上げた
3000万円の「ファンド資産」があるとしましょう。

これを、
『定額』で規則的に解約すると・・、

 

同じ5万円の解約でも、

ファンド価格が上昇した月は
解約する「口数」が減ります。

 

逆に同じ5万円の解約でも、

ファンド価格が下落した月は
解約する「口数」が増えてしまいます。

 

あれ? なんだかちぐはぐですね。

 

 

 

 

 

すでに「下り路」にいるのなら、

本当は
ファンド価格が上昇した月は
少し多めに解約し、

 

ファンド価格が下落した月は
少し少なめに解約したいはず。

 

ファンド資産を長持ちさせるためには・・。

 

 

つまり、
「下り路」と「上り路」とでは、
まったく異なる戦略を取る必要があるのです。

 

 

・・そろそろタイトルを回収します(笑)・・・

ですので、

インは『定額』、アウトは『定率』。となるのです。

 

すなわち、
資産を形成する期間「上り」では
定額で積立を続け、

資産を活用する期間「下り」では
定率で解約をする。

 

 

 

 

 

なぜなら『定率』で取り崩しを行えば、

―仮にファンド資産3000万円を
年率3%で規則的に解約するとします。―

 

ファンド価格が上昇した月は
同じ「年3%の取崩し」でも
多めの金額を解約することになり、

 

ファンド価格が下落した月は
同じ「年3%の取崩し」でも
少なめの金額を解約することになるためです。

 

資産が長持ちしやすくなります。

 

ぜひ覚えておきましょう。

資産運用の前編、すなわちインは『定額』。
資産運用の後編、すなわちアウトは『定率』です。

 

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