今、アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由
2024年7月17日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
教科書的にいえば
同じ『投資対象』なら、
アクティブファンドのほうが
インデックスファンドよりリスクは大きくなるはずです。
なぜなら、
アクティブファンドに組み入れる「銘柄数」がそもそも、インデックスファンドより少なくなるのが普通であるためです。
また、
ファンドの上位組み入れ企業の『組入れ比率』も、ふつうアクティブファンドのほうが高くなります。
例えば、
米国株式のアクティブファンドとして知られる『おおぶね』があります。
正式名称を
『農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね』と云います。
全組入れ銘柄が27社しかありません。
これは悪いことではなく、
むしろ「アクティブ」らしいアクティブファンドの体現としては「良いこと」だとわたしは思います。
あなたがアクティブファンドのファンドマネージャーだとしたら、
たとえばS&P500(株価指数)と比べて、
組み入れる『銘柄数』をある程度絞り込まないと、市場平均をアウトパフォームするのは難しくなると感じませんか?
そして、
運用チームの目利き(能動的意思決定)が顕著で、
上位組入れ銘柄の「集中度」がある程度高くなるのも、「アクティブ」らしい体現のひとつであるといえるでしょう。
今、『おおぶね』の
上位3銘柄の「組入れ比率」を合計してみます。
画像元:マンスリーレポート
「農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」
上位3社の組入れ比率は 18.3% です。
翻ってS&P500の上位3銘柄です。
(SPYというETFにおける組入れ比率となります)
画像元:Slickcharts
アップル、マイクロソフト、エヌビディアの上位3社で 20.95% を占めます。
上位3銘柄の『組入れ比率』のほうが、おおぶねというアクティブファンドのそれより高くなっているのです。
S&P500の
上位組み入れ企業の「比率」がこのように高くなっているのは、いったい何を示しているのか?
市場全体が上がっているのではなく、一部の企業の『株価』のみが上がっているということ。
この相場を牽引しているわけです。
米国を代表するS&P500指数も、
その良好なパフォーマンスのほとんどは、テック企業の株価上昇に支えられている構図なのです。
このような状況下では、
アクティブファンドが(市場平均に)勝つのは至難の業でしょう。
株価指数(S&P500)の中身、
結局、コロナ後の
米国株式市場に限っていえば、
マグニフィセントセブン(超テック系7社)の株式を、一定割合以上ホールドできたかどうかで、米国の株式ファンドの「成績」はおおかた決してしまったということなのでしょう。
揺り戻しが少々怖いです。
マーケットの集中度:
— Gold River (@Goldriver2020) July 3, 2024
時価総額上位10銘柄のウェイトは34%に急上昇
1920年代よりも更に高い数字と
1929年に何が起きたの?と他の筆者から突込みが
集中過ぎて狂気だけどそれは控えめな表現と
INSANITY https://t.co/7IFXOHKeBU pic.twitter.com/nh8aAMjpzR
カテゴリ:インデックス投資全般