『オルカン』の収益の約38%は為替要因です
2024年7月13日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
「オルカン」こと
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は
2018年の10月31日に運用をスタートしています。
6年近くの運用期間中、
「オルカン」の収益は+164%を超えています。
(6月28日現在の数字です。)
以下、図表(オルカン月次レポート)にご注目ください。
右端の『設定来計』のところです。
画像元:三菱UFJアセットマネジメント
(オルカン『月次レポート』)
これは、
2018年10月31日(運用開始)から
2024年6月28日までの『全期間の』という意味です。
次に左端に目を転じますと、
下部に、
基準価額(分配落後)という「項目」があります。
画像元:三菱UFJアセットマネジメント
(オルカン『月次レポート』)
『設定来計』と『基準価額(分配落後)』を結んだところの数字が 16,442(円)となっていますね。
「この意味は・・?」
設定来で見ると、
オルカンの基準価額(ファンドの価格)が、プラス16442円になっている。という意味です。
収益率でいえば、+164%強。
投資信託は基準価額「10,000円」でスタートしますから、
そこから16442円も上がって、
6月28日現在のオルカン基準価額は『26442円』ということなのです。
でも、手放しで喜んでもいられません。
もう一度、図表に戻ります。
注目いただきたいのは、
『為替要因』 6,323 という数字です。
画像元:三菱UFJアセットマネジメント
(オルカン『月次レポート』)
「これは・・?」
「+16442円」のうち、
「6323円」を占めているよ。という意味です。
比率にして約38.4%!
換言すれば、
もしも円安に振れていなかったら、
―為替の差益がなかったら―
オルカンの6月28日時点の価格は
『20119円』だったということです。
それだけではありません。
仮にオルカンの運用期間(6年近く)中、コンスタントに『円高』が進んでしまい、
今とは真逆に
オルカンの成績に対して、
為替要因がマイナスに寄与すれば、
『18000円』だったり、
『17000円台』だったりした可能性があるということです。
今現在は、
為替要因(円安)によって、
オルカンの円建て評価額は、
その実態(外貨建て評価額)よりも、かさ上げされています。
が、反対に、オルカンの基準価額が、その実態(外貨建て評価額)よりも下がってしまう可能性も内包するのです。
私たちはいつも為替リスクを背負っています。
カテゴリ:インデックス投資全般, 投資信託あれこれ