投資の発想法

エヌビディアのレバレッジETFは超絶ジェットコースターなので決してお勧めしません

2024年7月9日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

レバレッジ型ETFの中でも、
たった1銘柄だけを内包したレバレッジETFがあるのをご存じですか?

 

たとえば、
GraniteShares 2x Long NVDA Daily ETF」 (NVDL)

です。

 

要は
エヌビディアのレバレッジETFです。

 

 

 

 

この、
『たった1銘柄の2倍レバレッジETF』が
米国ではたくさん登場しているようです。

 

 

 

そう、
強気・強気・ブルの雰囲気が満面に漂っています。

 

 

レバレッジ型のファンド(ETF)って、

もともとの「指数」の、
1日当たりの変動率の『2倍』の値動きを目指して設計されます。

 

近年もっとも有名になったのは
「iFreeレバレッジ NASDAQ100」でしょう。

 

 

上記は投資信託ですが、
ナスダック100指数の
1日当たりの変動率の『2倍』を目指します。

 

 

「てこ」の原理で
より大きなリスクを負って
より大きなリターンを目指す投資商品です。

 

本国のアメリカでは
レバレッジ型のナスダック100をはじめ、
あらゆる種類の資産を対象にしたレバレッジETFが存在します。

 

 

 

 

 

しかし、
『レバレッジ型の商品』はおしなべて
短期向けの商品なのです。

 

 

日本でも2021年に金融庁が、
レバレッジ型・インバース型 ETF (ファンド含む)への投資に関して、異例の注意喚起を行っています。

 

 

 

 

冒頭のエヌビディアのレバレッジETFでも、
たとえばS&P500のレバレッジETFも、

 

株価指数の『先物』を組み入れたり、
個別株式の『信用取引』のしくみをファンドに内包しているわけです。

 

 

〇 商品設計は複雑であり
〇 一般に高コストであり、
〇 長期になればなるほど、
想定の値動きから大きく乖離する傾向にあります。
ちなみに冒頭でご紹介したエヌビディアのレバレッジETFは、年間経費率がナント 1.15% もします。

 

 

よーく考えてみますと、
S&P500の値動き自体も立派に
「ハイリスク・ハイリターン」です。

 

そこから更に、
値動きを『2倍』に仕立てようとしている・・。

 

でも、
S&P500そのものは
米国の代表的企業「500社」の集合体です。いちおう分散は出来ています。

 

 

翻って、
エヌビディアのレバレッジETFは・・?


「たった1社」の株価の
1日あたりの値動きに対して『2倍』の値動きを目指すわけで、

 

1日で+8%なら、+16%を目指す展開。
1日で-8%なら、-16%を目指す展開になります。

 

 

 

 

 

超絶ジェットコースターの雰囲気が伝わりますか?

 

 

レバレッジ型のETFが総じてそうなのですが、

 

エヌビディアのレバレッジETFは
エヌビディアの株価が
アップダウンを繰り返せば繰り返すほど、

当初想定していたパフォーマンスから大きく『かい離』していきます。

 

 

中長期で見れば、

エヌビディアのレバレッジETFのパフォーマンスが、エヌビディア(株式)そのもののパフォーマンスを下回る可能性すらあります。

 

 

本日は分かりやすい例として
エヌビディアのレバレッジETFを挙げましたが、

たった1銘柄の2倍レバレッジETFのしくみはすべて同じです。

 

 

 

 

このような投資商品は触らないでください。

触る必要がありません。

 

〇 関連記事:ブルームバーグ
エヌビディア株のレバレッジ型ETF、株価急落前に記録的な資金流入

 

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