エヌビディアのレバレッジETFは超絶ジェットコースターなので決してお勧めしません
2024年7月9日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
レバレッジ型ETFの中でも、
たった1銘柄だけを内包したレバレッジETFがあるのをご存じですか?
たとえば、
「GraniteShares 2x Long NVDA Daily ETF」 (NVDL)
です。
要は
エヌビディアのレバレッジETFです。
この、
『たった1銘柄の2倍レバレッジETF』が
米国ではたくさん登場しているようです。
1銘柄2倍ブルETFが続々出てきます。
— 𝐏𝐀𝐍🇺🇸米国株投資家 (@PAN_US_STOCK) June 19, 2024
こういうのは天井フラグなんですよね。 https://t.co/sjNtrGSdcD
そう、
強気・強気・ブルの雰囲気が満面に漂っています。
レバレッジ型のファンド(ETF)って、
もともとの「指数」の、
1日当たりの変動率の『2倍』の値動きを目指して設計されます。
近年もっとも有名になったのは
「iFreeレバレッジ NASDAQ100」でしょう。
1日当たりの変動率の『2倍』を目指します。
「てこ」の原理で
より大きなリスクを負って
より大きなリターンを目指す投資商品です。
本国のアメリカでは
レバレッジ型のナスダック100をはじめ、
あらゆる種類の資産を対象にしたレバレッジETFが存在します。
『レバレッジ型の商品』はおしなべて
短期向けの商品なのです。
日本でも2021年に金融庁が、
レバレッジ型・インバース型 ETF (ファンド含む)への投資に関して、異例の注意喚起を行っています。
冒頭のエヌビディアのレバレッジETFでも、
たとえばS&P500のレバレッジETFも、
株価指数の『先物』を組み入れたり、
個別株式の『信用取引』のしくみをファンドに内包しているわけです。
〇 一般に高コストであり、
想定の値動きから大きく乖離する傾向にあります。
よーく考えてみますと、
S&P500の値動き自体も立派に
「ハイリスク・ハイリターン」です。
そこから更に、
値動きを『2倍』に仕立てようとしている・・。
でも、
S&P500そのものは
米国の代表的企業「500社」の集合体です。いちおう分散は出来ています。
翻って、
エヌビディアのレバレッジETFは・・?
「たった1社」の株価の
1日あたりの値動きに対して『2倍』の値動きを目指すわけで、
1日で-8%なら、-16%を目指す展開になります。
超絶ジェットコースターの雰囲気が伝わりますか?
レバレッジ型のETFが総じてそうなのですが、
エヌビディアのレバレッジETFは
エヌビディアの株価が
アップダウンを繰り返せば繰り返すほど、
当初想定していたパフォーマンスから大きく『かい離』していきます。
中長期で見れば、
エヌビディアのレバレッジETFのパフォーマンスが、エヌビディア(株式)そのもののパフォーマンスを下回る可能性すらあります。
本日は分かりやすい例として
エヌビディアのレバレッジETFを挙げましたが、
たった1銘柄の2倍レバレッジETFのしくみはすべて同じです。
このような投資商品は触らないでください。
触る必要がありません。
〇 関連記事:ブルームバーグ
『エヌビディア株のレバレッジ型ETF、株価急落前に記録的な資金流入』
カテゴリ:投資の発想法