お金の摩訶不思議

お金は時に人間の欲望を増幅させる『装置』となります

2024年7月6日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

今から20年以上前、

青森県住宅供給公社を舞台に
14億円超の『横領事件』が発覚しました。

 

被告の千田郁司氏の妻である
アニータ・アルバラードなる女性が一時期マスコミを賑わせた事件です。

 

正式名称は、
青森県住宅供給公社巨額横領事件と云います。

 

 

 

 

 

公社の経理担当だった千田氏が
複数の女性に多額の現金や貴金属を渡すために横領を繰り返します。

 

その回数は・・
ナント160回以上!

 

 

おそらく千田氏は、
金品等をプレゼントすることでしか、自分の気持ちを表現できなかったのでしょう。

 

女性に溺れたひとりの男が
自分に振り向いてもらうために160回以上も公金を横領する。

 

(新聞報道によれば、
14億円超の横領のうち、
アニータさんに渡ったお金が11億円にも上るのだそう。)

 

 

 

 

もちろん、
長期間にわたり
横領の事実を把握できなかった
公社の管理体制は大いに批判されるべきでしょう。

 

 

が、しかし、
わたしは14億円もの大金を
ひたすら女性に注ぎ込んだ人間の『屈折した欲望』のほうに震撼します。

 

お金は時に、
人間の欲望を増幅させる「装置」となるのです。

 

 

 

 

 

この場合、
男女にまつわる『欲』が
マネーを媒介し暴走しました。

 

では、男女の色欲以外では?

 

『ギャンブル』が思い当たります。

 

 

「賭けごと」の厄介なところは、
結果として儲かったのか、損したのかということが重要ではなくなる点でしょう。

 

「賭けごと」自体に、
アドレナリンが分泌して人は興奮状態になってしまいます。

 

 

またギャンブルの場合、
男女の色恋、お酒、麻薬などと比較して、行き交うお金の量が半端ありません。

 

 

 

 

大王製紙前会長の井川意高氏のように、
カジノで100億円以上熔かしてしまう人もいるわけです。

 

井川氏の著書
熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』に、次のような文章があります。

 

 

カジノのテーブルについた瞬間、私の脳内には、
アドレナリンとドーパミンが噴出する。

 

 

勝ったときの高揚感もさることながら、
負けたときの悔しさと、次の瞬間に湧き立ってくる
「次は勝ってやる」という闘争心がまた妙な快楽を生む。

 

 

だから、勝っても負けてもやめられないのだ。

 

 

地獄の釜の蓋が開いた瀬戸際で味わう、
ジリジリと焼け焦げるような感覚がたまらない。
このヒリヒリ感がギャンブルの本当の恐ろしさなのだと思う。

 

実際に体験した人でないと書けない文章です。

 

 

 

 

さて、冒頭のお話に戻りますが、

「公金を横領」
「会社のお金を着服」という類のニュースを聞くと、

その動機はたいてい
『男女の色欲』であったり『ギャンブル』であったりします。

 

ここ10~15年ほどで
動機として多くなっているのが、
「FX」(外国為替証拠金取引)です。

 

 

 

 

 

FXで借金が膨らみ、お金を横領したというケースが散見されます。

 

資産運用的に見た場合、
「FX」は投資ではなく投機です。

 

 

そしてその取引の性格上、
限りなくギャンブルに近い行為といえるでしょう。

 

 

 

 

そしてもうひとつ、
『横領』云々のニュースを見て思うのは、

負の所業によって得たお金は、
(結局のところ)負のベクトルにしか向かわないということです。

 

 

例えば、
会社のお金を着服して得た5億円で、

全世界株式インデックスファンドを購入して資産を増やした、なんて話は聞いたことがありません。

 

 

当人が
「お金の奴隷」になってしまっていますから、

横領した5億円は自堕落に、
なすがまま浪費されてしまうのです・・。

 

 

 

 

 

お金にひれ伏し、
お金の召使いになってしまえば、

10億円を半年で浪費してしまうなんて別段難しいことではありません。

 

現代という時代は、
その種の「増幅装置」に事欠かないわけですから。

 

カテゴリ:お金の摩訶不思議

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