投資の発想法

30年で投資の「解」は変わるのか?

2024年7月1日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

投資スタイルに
流行り廃りがあるのは、
避けられない事実でしょう。

 

2000年代前半に、
BRICs(ブリックス)という言葉が流行って、

ブラジル・ロシア・インド・中国(そして南アフリカ)が、これから先進国以外で大きく伸びていきます。と謳われました。

 

今、BRICsのファンドの話はほとんど聞きません。

 

 

 

 

 

また、今でこそ、
投資信託のカテゴリー分類では
「米国株式」が存在しますが、

10年前はそんなものはありませんでした。

 

個人も機関投資家も、
アメリカ株式に投資するカルチャーは持っていましたが、

 

それは『先進国株式』というカテゴリーを通じて、だったのです。

 

信じられますか?

 

 

10年後、たとえば「インド株式」というカテゴリーが、
今の「米国株式」と同様に
『一分類』として確立しており、

「米国株式」と同様の脚光を浴びているかもしれません。
(また、浴びていないかもしれません・・)

 

 

 

 

 

長期投資の「長期」は、
人によって受け止め方が異なり、10年という人もいれば、20年だという人もいます。

 

でも、
30年ともなれば、

「ふた昔」ならぬ「み昔」です。

 

時代が変わる、というよりは、
「世代が変わっている」と言ったほうがよいでしょう。

 

 

今わたしの手元に、
1993年に発売された「マネー本」があります。

 

 

海江田万里さんの著書です。

 

 

同書の中で、
海江田さんは新たな投資信託が登場した旨、記されています。

 

 

それはLLF(ロング・ライフ・ファンド)という愛称で、
満期が7年の株式投資信託であり、

 

野村、大和、山一、日興など大手証券会社がこぞって売り出している。としています。

 

 

海江田さんはこう言います。

 

LLFは長期の株式投信です。

 

 

 

 

これが31年前の
日本人の『投資感覚』なのです。

 

 

さて、31年という時間の幅を、
そのまま「未来側」に置き換えてみると、

 

今から30年後に、

 

個人投資家がどんな投資スタイルを堅持しているのか、
どんな投資商品が人気を博しているのか、

 

想像はしてみても、
ちょっと想像の域を超えているような気がしてきます。

 

 

 

 

 

あなたは30年後、

(株式投資において)
『全世界株式』より
広い投資対象が生まれていると思いますか?

 

 

また、以下は投資の方法論になりますが、
あなたは30年後、

アクティブ運用がインデックス運用を抑えて、
その人気をまた復活させていると思いますか?

 

 

あるいは30年後、
あなたは投資商品の組成や、個人の投資の意思表示を『人間』がやっていると思いますか?

 

(あるいは)AIが多くの部分を代行している?

 

 

またあるいは、

現在は万人に開かれ、
万人に取引の機会がある『株式市場』の性格が変質してしまう可能性についてはどうでしょうか。

 

NightWalkerさんが以前、

オルカンってほんとに永久不滅なの?
オルカンがアウト!になっちゃうことってないの?

という主旨の記事を書いておられました。

 

 

 

 

 

 

あくまでレアな可能性に過ぎないのですが、

記事内では、
オルカンがアウト!になるシナリオのひとつとして
次のように記されていました。

 

 

シナリオその1 MSCI ACWIで市場をカバーしきれなくなる

 

たとえば、プライベートエクイティ(未公開株式)や実物資産の存在感が増し、プロ、あるいは特定の国の国民しかアクセスできない市場が相対的に大きくなってしまうようなケース。

 

 

つまり、

公開された株式の取引の場(株式市場)の、
相対的な価値が下がってしまうことはないか?という危惧なのです。

 

 

わたしは上記、
プライベートエクイティ(未公開株式)の意味を、

公開していた株式が
非上場になる。

という意味合いに捉えています。

 

 

あくまで私的な妄想の範囲の話ですが、

資金調達などを、
公開された株式市場から負う必要がなくなった一部の巨大企業が、自ら非上場を選択する・・ということは、あり得ない話ではありません。

 

(世界がイデオロギーと経済格差で大きく分断されているイメージ。)

 

 

 

 

 

何しろ30年ですから、
世代を跨ぐような長期なのです。

 

もちろん楽観的な『未来像』も展望できます。

 

そもそも株式市場が「各国」にある、
という状況ではなくなっている可能性があります。

 

デジタル社会の更なる進展によって、

 

投資家がどこに住もうが
世界中の公開企業(株式)
共通の決済通貨でアクセスできる・・

 

 

株式の売り手と買い手を仲介する証券会社の役割は、霧のように消えてなくなっている可能性があります。

 

アプリで株式、投信、ETFなどの売買と決済が自動化されるわけです。

 

 

 

 

あなたは30年後、投資をしていますか?

 

30年後の投資スタイルは

結局のところ、
今とさほど変わらないかもしれませんし、
大きく変容しているかもしれません。

 

大事なことは
投資を続けることそのものです。

 

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