ゴールキーパーは『動く』のが仕事?
2024年6月26日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
現在、ドイツでUEFA欧州選手権が開催されています。
サッカーの試合を観ていると、
時々「ペナルティーキック」の場面になります。
キックをする人と
ゴールキーパーが
『一対一』で向き合っている、あの場面です・・。
お互いの距離は想像以上に短く、
キッカーとゴールキーパーの間は、
12ヤード(約10.97メートル)しか離れていないそう。
そして、
およそ8割の『ペナルティーキック』は成功します。
(でも2割は失敗するのです・・)
あなたは今、
ゴールキーパーです・・。
ペナルティーキックを防ぐには、
キッカーがボールを蹴る前から、
「右に蹴るのか、左に蹴るのか?」
おおよそ見当をつけないといけません。
そして、右か左に思い切って体を移動させます。
(何しろ10.97メートルしか離れていないわけで・・)
実は、ここに別のファクト(事実)があります。
ゴールの真ん中あたりに向けて蹴られているのだそう。
これって、
そこそこ高い確率だと思いませんか?
そう考えると、
ゴールキーパーは、
右、左に動くことはもちろん、
「真ん中」に居ることも考慮に入れないといけません。
でも実際は・・?
9割以上のケースでゴールキーパーは、右に左に動いてしまうそうです。
まあ、気持ちは分かります。
『3割近く』のキックは
ゴールの真ん中あたりに蹴られている。
でも、
ゴールキーパーにとっては
真ん中に居続けることはしごく難しい。
それってなぜでしょう?
あっ、
だんだん投資の話に近づいていきますよ(笑)
キーパーが『真ん中』に立ったままでは、ちょっとお馬鹿さんに見えてしまうから?
「おい、カンくん。ぜんぜん仕事してないだろ?」と思われてしまう感じ?
動くことが『仕事』であるという、強い意識があります。
実は私たち投資家も、
そのような『観念』に囚われているのではないでしょうか。
たとえば(仮の話ですが、)
この先、
米国の巨大テック系企業の株価が大きく調整すれば、
やれ暴落だ、やれAIバブルは弾けただの、いろいろな『雑音』がその声を大きくすることでしょう。
あるいは、
欧米で悪性のインフレが蒸し返す兆しがある。みたいな「記事」が躍るかもしれません。
そういった変化や、
変化を煽る世間の動きを
敏感に感じ取れば感じ取るほど、
投資家は・動きたくなって・しまうのです。
大きな変化が今まさに起こるかもしれないのに、何もせずマーケットの中にただ居続けることが、
投資家として
怠惰で
何もしていないように思われる・・・
と、
あなたは勝手に焦ってしまう・・。
そのように
心が移ろう可能性について
考えておいて損はないでしょう。
投資家としての正しい行動は、
「何かやってるよね」と思われることではありません。
投資家としての正しい行動は、
中長期で見た市場全体のリターンを隈なく取り込むこと。
それ以上でも、
それ以下でもないのです。
投資の現場では、
「動くことよりも、動かないでいることのほうが」何倍も難しいのです。
カテゴリ:投資家の感情リスク