インデックス投資全般

日本のインデックス投資家が『VT』を発見し盛り上げたことに『オルカン』の原点があります

2024年6月25日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

ひと口にインデックス投資といっても、
様々な切り口があります。

 

一か国の株価指数との連動を目指す
ETFやインデックスファンドもあります。

いっぽう、
外国株式インデックスファンドは
22か国の先進国株式を包括します。

 

より大きな概念で囲われたインデックス投資を思い浮かべると、「全世界株式型」が浮かび上がります。

 

 

 

 

今では『オルカン』がたいへんな人気です。

しかし、
全世界株式型の商品の源流はETFにあるといえるでしょう。

 

まず、2008年3月に、
「iシェアーズ MSCI ACWI ETF」が運用を開始しました。
(ACWI)

 

遅れること3ヵ月、
2008年6月に
「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」が設定されました。(VT)

 

いずれも米国市場に上場したETFです。

 

上記2商品が
わたしが知る限り、全世界株式型のインデックス商品の草分けです。

 

 

 

 

 

どちらもアメリカの運用会社が運用しますが、「全世界株式型」のインデックス商品が米国で生まれたことにわたしは驚きを隠せません。

 

なぜなら、
アメリカ人にとって米国の株式がナンバーワンであり、自国株式を中心に捉える癖があるためです。

 

 

実は『オルカン』(全世界株式インデックスファンド)にこれほど人気が集まる下地は、かなり前から整っており、

 

 

それは、
日本のインデックス投資家の中で、
VT「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」が人気化したことに起因します。

 

 

 

VTが米国市場で運用を開始したのは2008年ですが、当初この全世界株式型のETFは苦戦しました。

スタート直後にリーマンショックに見舞われ、価格が暴落します(ETFの価格は約半分に)。

純資産額も予想ほど積み上がらず、出来高も思うように増えませんでした。

 

そんな中、2009年に
楽天証券が海外ETFとして『VT』の取り扱いを開始します。

当時のリリースがこちら

 

これをきっかけに
日本で「VT」が徐々に人気化します。

ただし、
超マニアなインデックス投資家の中だけの話ですが・・。

 

『投信ブロガーが選ぶ!
Fund of the Year』でも、
2012年、2013年と連覇を果たしました。

 

 

当時のバンガード日本法人関係者がこう言われていたのを思い出します。

 

日本人投資家のVTへの資金流入が
本国(米国)でも注目されています。

 

 

インデックス投資家は
市場平均に投資を行う人です。

 

『平均』を取れればいいや。と割り切っているわけです。

 

全世界の株式の平均を取るのに、たったひとつの商品を持つだけでよい。という簡便さ、シンプルな美しさ?に、

当時のインデックス投資家は魅了されたわけです。

 

 

 

 

 

VTに関しては、

「リーサルウェポン」最終兵器

という形容まで生まれました。

 

 

ところで当クリニックでは、

 

カンさん。
わたしは別に過大なリターンを求めているわけではありません。

 

長く投資を続けて、
たとえば年4%くらいの収益があればいいと思っています。

 

というタイプのお客様が多いです。

 

インデックス投資家とは、
分(ぶん)をわきまえる人なのです。

 


「年4%くらいの収益でよい」という言葉は、あなたが、あなた自身のことを知っていないと(なかなか)出てこないセリフでしょう。

 

投資というフィールドの
『現実的な景色』を知っているからこそ「年4%くらいの収益」という言い様ができるわけです。

 

 

これくらいで充分。これで良しとしよう。

このような物事の捉え方こそ、
『インデックス投資』の根幹なのです。

 

 

 

 

 

シンプルさを希求することは、
日本人がほんらい持っている
『足るを知る』という精神に通じます。

無駄をそぎ落とし、余計な動きをしない。
その結果、コストも節約できる。

 

これは
日本人が昔から実践している、
生活様式そのものであります。

 

わたしは真面目に
日本人が世界でいちばんインデックス投資に向いていると思っています。

 

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