100年ライフプラン

FIREはカウンターカルチャーなのか?

2024年6月24日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。 

この仕事をしていますと、
面談内で
FIRE、早期リタイアという単語がしばしば登場します。

 

お客様がこの用語を発するとき、
ちょっと 改まった様子 になったりするのです。

 

 

 

 

 

もしかすると
FIRE、早期リタイアするって、
まだまだ特権的な香りがする選択なのでしょうか。

 

ほんの一部の人が享受できる、
特別で神聖なチョイスみたいな・・?

 

別に、そんなことはないと思います。

 

 

『早期の』リタイアでなくても、
いつかはみな『リタイア』するわけで・・、

 

その「時期」が少し早いか、
早くないかだけの違いではないでしょうか。

 

 

もちろん、
FIREする際に、

 

・「金融資産額」がいくらあるのか。
※運用を続けることは大前提。
・持ち家か、そうではないのか。
・FIRE後の定期収入はあるのか。
(副業、アルバイト的な収入源はあるのか?)
・毎月の支出額はどの程度か。

 

これらの『要素』を吟味する必要はあります。

 

 

 

 

 

たとえば
90歳で死ぬ人生があったとして、

23歳~65歳まで働くと、
90年に対する時間的比率は46.6%です。

いっぽう
23歳~56歳まで働くと、
90年に対する比率は36.6%です。

 

そんなに大きく違うのでしょうか。

 

 

FIREとは、
生き方の『具現化』のひとつでしょう。

 

 

これから先の人生において、
自分らしさを追求するメリットと、
(早く仕事を辞めることで)
経済的な不確実性が増すデメリットを天秤に掛けて、
「どちらを優先させるか?」という選択でもあります。

 

ここで重要になるのが、
経済的な不確実性に対する耐性です。

 

 

 

 

資産運用を行っている人は
金融資産額の不規則なアップダウンに対する耐性はあると思います。

 

では、
仮に株式市場の不調が2年も4年も続いて、

取り崩し戦略上、
これまで月30万円程度の支出でやってきた生活を、25万円とか23万円に落とせますか?

 

 

より詳しく言えば、

 

毎月のお金の支出は抑えることになるけれど、お金以外のところで「楽しみ」や「面白み」を暮らしの中で見つけていけそうですか?

 

ここの部分で YES と答えられるあなたは、相当 FIRE に向いていると思います。

 

 

 

 

 

情報技術の発展で、
そんなにお金を掛けなくても、
それなりに楽しめる社会になっているとわたしは感じます。

 

 

FIRE後の生活で
カギを握るのは、

毎月の支出額をある程度抑えられるかと、
毎月の支出額を急に下げることになっても、
クオリティ・オブ・ライフを維持できるか?という二点でしょう。

 

 

総じて皆さん、
FIREとか早期リタイアに対して心配し過ぎだと思います。

 

経済的な不確実性が増すことに対する心配そのものもありますが、

 

ふつうの人が歩む「レール」から、
途中で降りてしまう心情的な心配のほうが大きいとわたしは感じます。

 

ふつうって、何でしょう・・。

 

 

所詮人生は死ぬまでの暇つぶしです。

 

 

 

 

その途上で
必ず定年退職ってあるわけです。

その時、会社という『小社会』から強制的に離れることになります。

 

 

そのあとは、
どのみち、ひとりの人間として「セカンドライフ」を描くことになるわけですから、今、降りるか、12年後に降りるか、だけの違いです。

 

 

みなと違う選択をして、
もしも上手く行かなかったらどうしよう症候群 に「かかってしまう」必要はありません。

 

 

 

 

 

持ち家の人はローンがないのであれば、
最終手段として
不動産を担保にお金を借りることが可能。
(リバースモーゲージといいます)

 

資産運用は粛々と続けましょう。
(そして粛々と取り崩しも続けます)

たとえばこんな取り崩し戦略も存在します。

 

万一、予期せぬ事態に遭遇すれば、
また働き始めればよいわけです。

(最悪のケース、公的年金を繰り上げ受給するという手もあります)

 

わたしのように地方に住むことで
コストを抑えることも可能でしょう。

 

 

 

 

 

会社の制度が65歳定年だから、
公的年金の支給が65歳だから、
みながそうしているからということで、

 

あなたじしんを犠牲にし、
惰性で働き続けて、

 

もちろん「お金」は積み上がるでしょうが、その分『年』も取るわけで、例えば71歳くらいになって、

 

時間 < お金 の状態になってもそれはもう遅いのかもしれません。

 

 

今はまだ、FIREという生き方はカウンターカルチャーですが、遠からず、さまざまな生き方の、平凡なチョイスのひとつになるとわたしは思います。

 

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