NISAで寄り道、つまみ食い?
2024年6月15日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
NISA制度の醍醐味は1800万円という、
『投資枠』の大きさにあります。
でも、これは一度に投入することが出来ません。
最短でも
5年かかります。
5年ってちょっとした年月です。
加えて、
私たちは1年のリズムを普通、
1月~12月でカウントしています。
すると、
毎年毎年の『1月』に、
―実際には前年の11月、12月あたりから―
メディアやSNSの側から、
今年はどこに投資しましょうか?
みたいな、
1年更新型の
甘い誘惑ビームが送られてくるのです。
2025年も
2026年も
2027年も、
毎年ですよ。
つまり、
NISAに資金投入する際に、
2025年はこうしようとか、
2026年は
25年の反省を生かして○○を止めて□□にしようとか、
1年刻みで
『投資戦略』を随時変えていく・・、
換言すれば、
「年ごとの投資カラー」を自ら作り上げてしまう・・、
2024年
2025年
2026年
2027年
2028年
そういう「誘惑」が立ちはだかるのです。
今年のNISA枠は成長枠は全て個別株で積立枠は投信3種としたけど、来年分は成長枠の半分を投信3種のうち一番成績良かったものに年初一括で回すつもりです。いまのところオルカン。
— Rinn (@RINN341518) June 14, 2024
この投稿者の方の気持ちは分かるのです。
せっかくNISAという窓口に資金を入れるのだから、少しでも『お得な』商品を選び切って投資したいという気持ち。
でも、です。
2024年
2025年
2026年
2027年
2028年
毎年毎年「何を買うか」に夢中になり過ぎて、いろんなタイプの商品を抱え込んで、
投資商品を『買うこと』がゴールになっていませんか?
たかだか
「スタート」なのです。
買ったあと、
NISA口座の場合は1800万円の投資枠を埋めたあとが、ほんとうの「よーい!スタート」。
今は年間360万円を入金する前提でお話しましたが、
仮に年180万円、NISAに資金を積んでいく人は、
2024年
2025年
2026年
2027年
2028年
2029年
2030年
2031年
2032年
2033年
のように、
入金期間が「10年」に及びます。
仮に10年間にわたって、
「毎年」開催される
「今年はこれがベスト!
投資商品★選手権」みたいなものに参加してしまうと、
そこから更に10年くらい経ったときに、
個別株はどこでどれくらいある?
ETFはどんな種類のものが何本?
つみたて投資枠の
インデックスファンドは全部でいくつある?
みたいな状態になりかねません。
単純すぎる提案なのですが、
月30万円、年360万円でNISAの投資枠を埋めていく場合でも、
2024年
2025年
2026年
2027年
2028年
というふうに、
ぜーんぶ同じ、
つみたて投資枠も
成長投資枠も
同じ「たった1本のファンド」でもよいのですよ。
今は信じられないかもしれませんが、NISA口座で保有する商品も、あなたが68歳とか78歳になったときに、実際『取り崩していく』わけです。
資産管理は Simple is best だと思います。
カテゴリ:NISA活用法