投資家の感情リスク

マーケットの揺れの大きさほど、株式市場の『成績』が崩れるわけではありません

2024年6月12日

 

こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。

 

あなたは飛行機に乗っています。

窓側の席で景色を楽しんでいましたが、
こんなアナウンスが突如流れてくるかもしれません。

 

この先、当機は気流の関係で揺れることが予想されますが、飛行には全く支障ございません。

 

 

 

 

 

投資ビギナーの人には、

 

株式市場はときに強く「揺れる」ことが予想されますが、マーケットの健全な運営には全く支障はありません。

 

という『標語』を、

強く意識していただきたいのです。

 

 

株式市場というところは予め『揺れる』機能が備わっています。

『揺れ』は実際、しばしば起こります。

 

なかば『揺れること』がマーケットの仕事のひとつであるかのようなのです。

 

 

 

 

 

『揺れること』が前提なので、
現に揺れているからと云って、慌てる必要は全然ありません。

 

別に揺れても、
株式市場の本質が損なわれたり、期待リターンが下がってしまうわけではありません。

もちろん、世界の終わりがやってくるわけでもありません。

 

 

『揺れる』ことに戸惑い、落ち着かず、どうしても不安に襲われるような場合は、

 

飛行機の機内での、

 

この先、当機は気流の関係で揺れることが予想されますが、飛行には全く支障ございません。

 

を思い出してみましょう。

 

 

マーケットには
ボラティリティ・インデックス、

俗に『VIX指数』と呼ばれる便利な物差しがあります。

 

VIX指数とは、

米国S&P500において
投資家がこれから先どれくらいの振れ幅を見込んでいるかを示す「期待値」の一種です。

 

 

 

 

マーケットのアップダウンが大きくなる際に、VIX指数の数値も高くなるという解釈で結構でしょう。

 

 

画像元:S&P Dow Jones Indices

 

米国の株式市場がノーマルな運航時、
『VIX指数』は10から20の間で推移することが多いです。

 

しかし、上記グラフを見ると、
しばしばその数値が大きく上昇していることが分かります。

 

 

1997年のアジア通貨危機では「35」を越え、
2001年のアメリカ同時多発テロでは「43」を超え、
2002年のエンロン社の不正でも「40」を超えています。

 

リーマンショック時(2008年)には「80」に、
欧州債務危機(2010年)時には「40」に、
直近のコロナショック(2020年)時には「70」近くになっています。

 

本当にしばしば『揺れています』。

 

 

 

画像元:S&P Dow Jones Indices

 

 

上記図表でもっとも重要なポイントは、

 

市場の揺れの大きさ(不安の大きさ)ほどには、S&P500(株式市場の平均)の『成績』が崩れているわけではない、という点です。

 

 

VIX指数が高くなると、機械的に保有銘柄を売却して持ち高の調整を行うファンド連もいますが、

 

わたしから言わせてもらえば、
VIX指数が高くなるときは、同じ品質のモノが安く買えるチャンスであります。

 

 

 

 

別に大きく揺れても、
株式市場の本質が損なわれたり、期待リターンが下がってしまうわけではありません。

 

くれぐれも『揺れ』に過剰反応してしまわないよう、注意しましょう。

 

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