インデックス投資が『主流』になると、株式市場のバブルを助長することに繋がるのか?(上)
2024年6月6日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
突然ですが、
あなたの携帯電話ってどちらのキャリアですか?
2024年5月時点の
携帯電話契約数におけるシェアは、
KDDI(au)27.0%
ソフトバンク20.9% であり、
大手3社のみで
市場シェアの84%を占めます。
これは・・・、
「寡占」の状態に近いと思われます。
では、
アメリカの代表的な株価指数「S&P500」の中で、
時価総額の上位3社(マイクロソフト・エヌビディア・アップル)の、同指数に占める割合が19.7%に達している状況(今、現在)は、
果たして寡占 or 寡占ではない?
少なくとも寡占ではありません。
しかし以下 Charlie Billelo氏のポストによれば、
1980年来の記録の中で、
S&P500指数に対する
組入れトップ3社の『時価総額比率』は今、もっとも高くなっています。
The Top 3 companies in the S&P 500 (Microsoft, Nvidia, & Apple) now make up 19.7% of the index, the highest concentration on record with data going back to 1980.https://t.co/mpJBYGzfJ0 pic.twitter.com/U6ikSQ42ST
— Charlie Bilello (@charliebilello) June 4, 2024
※トップ3社とはマイクロソフト、エヌビディア、アップルのこと。
そもそも『株価指数』が上昇すると、
上位組入れ銘柄の、
株価指数に対する「比率」も上昇する傾向にあります。
The Top 3 companies in the S&P 500 (Microsoft, Nvidia, & Apple) now make up 19.7% of the index, the highest concentration on record with data going back to 1980.https://t.co/mpJBYGzfJ0 pic.twitter.com/U6ikSQ42ST
— Charlie Bilello (@charliebilello) June 4, 2024
1990年代後半、2007年、08年、↑ そしてコロナ禍もそうですね。
上記の現象を
180度回って、後ろ側に立って検証すれば、
ともいえます。
どんな上昇相場でも、
「けん引役」が存在するものです。
ですので、
『株価指数』が上昇する → 上位銘柄の指数に対する「比率」が上昇するのは、しごく自然な現象といえます。
例えば、
個別株式を物色する投資家や、アクティブファンドの運用チームを想像してみると分かりやすいでしょう。
株価が上昇する銘柄に注目し、それを買い付け、利益を求めるのは世の常。
(自身が買った銘柄が)高くなり過ぎたと判断すれば、売却して利益を確定し、また他の銘柄を物色するという「アクティブ運動」が繰り返されます。
アクティブ投資家が市場の中で『主役』であり続ければ、
マーケット全体としては
自浄作用のごとく、
個々の株式に対して「価値発見機能」が自然と働き、売り買いが為され、個々の株式のプライスは(長い目で見て)落ち着くところに落ち着いていきます。
ところが、
―あくまで投資信託(含むETF)に限った話ですが、―
長いマーケットの歴史の中で、
どうやら初めて
アクティブ投資家が『主役』から陥落しつつあるようなのです。
これは大きなニュースです。
わたし自身、
自分がこうしてFPとして活動している間に、このような旋回が起ころうとはゆめゆめ思っていませんでした。
今、アメリカで起きている
上位組入れ銘柄の、
株価指数に対する「比率」が上昇する傾向は、
アクティブ投資家による
「アクティブ運動」だけでは説明し切れなくなっています。
インデックス投資家による影響がかなり『入っている』と考えます。
それは一体どんな影響なのでしょうか?
続く・・)
カテゴリ:インデックス投資全般