投資信託って『いつ』解約すればいいのですか?
2024年6月2日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
投資信託って『いつ』解約すればいいのですか?
これは本当によくいただくご質問です。
特定の出費のためのファンド解約でない限り、
投資信託を「解約」し始めればよい。
これが答えです。
ファンド価格が大いに上がったからといって、別に「売ろうか・・」と思う必要はありません。
売る用事がなければ、持っていればよいわけで。
また、65歳になったからといって、
投資信託をぜんぶ『売る』必要もありません。
(逆にそんなことをすると『長生きするリスク』に対応できませんし。)
でも、です。
上記「回答」をお示ししても、
一定数の人は
口をぽかんと開けたままの表情をされます。
ちょっと『実感』が湧きにくいのですね。
この種の質問を発する
お客様のお気持ちを、
丁寧にスプーンで掬ってみましょう。
おそらく、ですが、
・・どれくらい儲かっているときに
・・どの程度『売れば』いいのか?
というイメージに
凝り固まってしまっているのでは?
投資信託って『いつ』売ればいいですか?
という疑問の本質は、
『いつ?』です。
ここが大きなネックになっているのです。
換言すれば、
完全に『タイミングの世界』に嵌っているのです。
ちょっと回り道ですが、
あなたが初めて投資信託を買おうとした時の「心境」を、思い返してみませんか?
投資信託って『いつ』買えばいいの?
最初、そんなふうに悩みませんでしたか。
何しろ、
ファンドの価格は毎日「動いています」。
・・ファンド価格がどれくらいのときに
・・どの程度『買えば』いいのか?
この大きな課題に、
あなたはどう立ち向かいましたか?
かんたんです。
『タイミングの世界』から脱却したわけです。
同様に、
ファンドを解約、
つまり『取り崩し』を始める際も、
・・いつ売るべきか?
・・どれくらいの金額売るべきか?
の『正解』は分からないから、
タイミングの世界は放棄して、
規則的に・取り崩していこう。
これで良いのです。
つみたて投資の際、
ファンド価格が上がっている・下がっているを気にしなかったように、
投資信託を売っていく際に、
ファンドの価格が上がっている、下がっているを、気にする必要はありません。
これこそ、正しい投資信託の『解約のしかた』です。
・ご自宅のリフォーム代とか、
・お孫さんの学校の入学費用とか、
その性質上、
・必要な金額ベースが
明確なイベントに対しては、
定期的な『取り崩し』とは別に、
投資信託を『一度に』解約しましょう。
ファンドの積立が長期にわたったのと同様、
ファンドの解約も長きにわたって続きます。
どちらも「けいぞく的な作業」ですから、
その習慣に身をゆだねることが重要なのです。
投資信託の『定期売却サービス』を利用するのも一考でしょう。
SBI証券「投資信託定期売却サービス」
楽天証券「投信定期売却サービス」
セゾン投信「定期換金サービス」
ありがとう投信「定期換金サービス」
また、
拙著「つみたて投資の終わり方」で詳述した通り、
安全資産とリスク資産の比率を保ちながら、
年に一度『手動』で
総資産からの取り崩しを実施してもよいでしょう。
人生100年時代ですから、
下手をすると、
投資信託のつみたて期間より、
投資信託の取り崩し期間のほうが「長くなる」可能性もあるわけです。
これを長期かつ、
高度なメンテナンス作業と呼ばすして何と呼びましょう?
上りは「体力」下りは「技術」と云われます。
最近とみに思うのは、
上り(資産を増やす)より、下り(資産を取り崩し・使っていく)のほうが、何倍も難しいということです。
でも、あなたなら挑戦できるはずです。
カテゴリ:リタイアメント・資産の取り崩し