臆病だけど(恐る恐る)市場の端っこに居続けるのが投資の姿です
2024年5月27日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
『恐る恐る』ということばがあります。
物事を慎重に捉え、
万事OKかどうかを確かめながら進む・・というイメージでしょう。
どちらかというと、
『石橋』を叩いて渡る・・
つまりは
小心者、ちょっと心配性な人を指すのですが、
こういう人って・・、
投資に向いています(笑)
投資は勝負だから、
「度胸」がいる。
みたいな言い様をする人がいますが、
市場全体を隈なく保有する
インデックス投資では、
別に「度胸」は要りません。
逆に「度胸」があると、
インデックス投資では飽き足らず、
別の投資商品も試したくなって、あっちの商品、こっちの商品と「つまみ食い」状態になるかもしれません。
結果、リスクが上塗りされます。
初めのうちは全力で
イケイケで、
しばらくの間は上手くいったとしても、
マーケットは突如『風向き』が変わったりしますから、
いつまでも「旬の資産」=「右肩上がりに伸び続けるだけという商品」は(そもそも)あるはずもありません。
24年間のお金の相談業の経験で申しますと、
長期に渡って市場の隅に居続け、
あるいは、投資を始めたからといって、情報収集に精を出すのも考えものです。
なるだけ多くの「情報」を仕入れて、
機敏に動こうというお気持ちは分かるのですが、
『情報』ばかり気にしていると、
落ち着いて一か所には居続けられません。
人間はそもそも「動きたくなる生き物」ですが、
市場に対して、
または金融商品に対して、
真面目に反応し、
行動すればするほど、
『投資』ではうまく行かなくなる可能性が増します。
逆に、いったん「投資」を始めたら『情報から距離を置く。』くらいのほうがよいのです。
投資は他力本願であり、
あなたがいかに真摯に今世界中で起こっているコトと向き合っても、それがあなたの収益に繋がるわけではありません。
冷酷で、かつ圧倒的なボリュームの資金の出入りで動くのが株式市場ですから、
大小さまざまな『変化』があっても、がんとして動かない。
じーっとしていましょう。
放っておいてください。
インデックス投資を始めたら、
目指すは「なまけ者」です。
なるだけ真面目に勉強したり、
真面目に反応したり、分析しようとしたりせずに「いい加減」でいましょう。
ところで、恐る恐る投資をする人は、投資における「損失」について、どうしても『大ごと』として捉えがちです。
人間というのは
利益よりも損失に対して
より敏感に反応するものですから、
これは致し方ない部分もあるでしょう。
でも、です。
こちらも不思議な現象なのですが、
市場の隅に居続けていると、
同じくらいのファンド価格の『下落』に対して、
2回目よりは3回目のほうが、
(前回よりは)動揺が少し小さくなるものなのです。
環境適応能力、ですね。
投資における最大の注意事項、最大の脅威は、株式市場や地政学的リスクや天変地異ではなく、(実は)あなた自身(感情リスク)なのです。
くれぐれもお忘れなく。
カテゴリ:投資家の感情リスク