フェリーニの映画でオプション取引?
2024年5月18日
こんにちは。
投資信託クリニックの カン・チュンド です。
わたしが好きな俳優に
アンソニー・クインがいます。
彼は1954年、
フェデリコ・フェリーニの映画「道」に出演しました。
同映画の主人公、
乱暴で粗野な男ザンパーノは、
まさにクインにとって「はまり役」でした。
(ところで、)
主役であるアンソニー・クインの
ギャランティー(出演料)は単純に金額ベースでは設定されませんでした。
彼の出演料は、
映画の興行収入の25%というものでした。
(ちょっと特殊ですね)
ここからふたつのことが「推測」できます。
2. この映画が当たる可能性はけっこう未知数である
(なにしろ興行収入の25%ですから!)
当時、フェリーニの映画は
(一般の観客には)
難解で分かりにくいと評判であり、
芸術的な評価はともかく、
興行的には大いに「リスクが高い映画」だったのです。
アンソニー・クインのエージェント(代理人)は、
試写が終わったあと
「この映画は最低だ!」と呟き、
そして、とある人物が
15,000ドルでクインの権利、
つまりは
『興行収入の25%を受け取る権利』を買い受けましょう、と申し出ました。
アンソニー・クインの中で葛藤があったことは想像に難くないですが、結局「契約」が成立します。
上記のとある人物は、
(こんにちの概念でいえば)
れっきとした『投資家』であります。
一種の『オプション取引』だったのです。
さて、果たして結果は・・?
映画「道」は世界中で大ヒットしました(笑)
「とある人物」は、自身が期待する
収益(リターン)とリスクの大きさを天秤にかけ、15000ドルというオファー(数字)をはじき出したわけです。
ちなみに大きなギャランティーを逃した
アンソニー・クインですが、
彼のその後の演技人生には、
いささかの影響も与えていません。
もちろん、
フェデリコ・フェリーニの「道」は、
そんなエピソードとは関係なく
まるで寓話の中にいるような
こころに沁み入る映画です。
最期に「おまけ」。
2週間限定で、
映画「道」が無料で視聴できますよ。
(シネフィルWOWOW)
カテゴリ:投資の発想法